手軽に燻製を楽しむ

 サクラのスモークチップで食材をいぶし、独特の深い香りや味わいを楽しむ燻製の講座が、2月18日、戸田コミュニティセンターで開催された。講師は、市内の自家製ハム・ソーセージの店『タンネンバウム』の西野浩一さん。
 この『ハムを作って燻製』は全2回。前回、参加者16名が豚肉のかたまりを糸で巻いて成型、塩漬液を作って漬け込んだ。それを西野さんが店に持ち帰って塩漬け保存し、スモーク工程まで終了。取材日は加熱工程で、肉をボイルしながら、段ボールの燻製器で持ち寄った食材を燻製して食べよう、との内容だった。
 まずはハムのボイル。燻製された肉をジップロックに入れ、輪ゴムを巻いてしっかり閉じる。肉の旨味を閉じ込め、しっとりしたハムに仕上がるという。鍋底に巻きすを入れ、お湯が70~75度になったら肉を入れ、落としぶたをする。温度計でチェックしつつ湯温をキープするのが原則だ。肉の中心温度が68度以上になるまで茹でる。「温度計を肉に刺し、中心温度をはかりますが、一度刺したら、冷やし終わるまで絶対に抜かないでください。抜いたら肉汁などの旨味が小さな穴からあっと言う間に出てしまいます」と西野さん。
 ボイルの間にいよいよ燻製。カセットコンロの両脇にケーキ型などで段ボールを乗せる土台を作り、間に小さめのフライパンを置く。段ボールは上下を開き、平行に穴を開け、金属製のポールを通して網を乗せ、食材を並べる。今回は3段で、一番下にイカの一夜干しやチクワ、中段にタクアン、ハム、ゆで卵、ホタテ、上段にはナッツを置いた。食材の表面の水分は充分に拭いておく。チップは細かいサクラ。「ぎゅっと握ったら掌全体につくくらい、必ず水で湿らせます。いい煙が長時間出ます」とのこと。
 お茶碗1杯分のチップを最初は強火で。煙の香りがしてきたら中火にし、燻製器から煙が薄く上がったら、隙間を残し新聞紙でふたをする。燻製も温度管理が重要で、今回は55~60度をキープ。中で煙がゆるやかに対流することが美味しくなる秘訣だという。「チップは熱し始めたらいじらず、煙が一気に出ないようにします。新聞紙のふたはこまめに移動し、隙間の位置を変えます。常に煙が薄く出ているのがベストです」。箱にも温度計を差してチェックしながら約30分。食材が乾燥し、色と香りづけができたら食べごろだ。
「どれもまろやかで旨味が増してる」「柔らかくて食べやすい」「ナッツはとても香ばしい」と、参加者全員で美味しさを堪能。「初めての燻製はカマボコなどの練りもの、ポテトチップスなどの乾きものが手軽。多少失敗しても食べられます。野外で楽しむのもいいですよ。何度やっても同じように仕上がらない奥深さも燻製の魅力ですね」と西野さん。
 ボイルし終わったハムは流水で冷却へ。粗熱を取ったハムは参加者が自宅の冷蔵庫で冷却させる。燻製の後にボイルすると、殺菌もできて衛生的だそうだ。「今晩食べるのがすごく楽しみですよ」と、全員が嬉しそうにハムを持ち帰った。

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