色彩豊かな人形たちの美しさと、春の香りを感じて

 4月19日(日)まで、長生郡長南町にある長南町郷土資料館で、春の展示『芝原人形展~里に春がやって来た』が開催されている。
 芝原人形は、明治初期に長南町芝原(当時は上埴生郡芝原村)の田中錦山が、東京(江戸)・浅草の今戸人形の手法を取り入れ考案し製作を始めた。昭和40年代初めまで、錦山の長男・春吾、次男の謙次と継承されていき、三代目の田中謙次は昭和30(1955)年に千葉県無形文化財に認定された。昭和46(1971)年、謙次没後、人形作家・千葉惣次さんが四代目を継承し現在に至る。
 田中家時代の人形製作は農閑期の副業で、米の出荷が一段落する初冬から、ひな祭りに向けて製作されていた。
 会場内には、初代(推定)から千葉惣次さんまで代々の芝原人形が展示されているので、作り手によって異なる風情を楽しむのもいいし、同じく会場に展示されている上品なひな人形と比べてみるのもいい。また、ひな人形も見比べると、時代の変遷と共に、昔の人形の顔立ち「引目鈎鼻」から、今風にと変化しているのが分かる。
 もともと、芝原人形は郷土のひな人形として親しまれ、春が近づくと人形の売り子が集落を巡り、戦前まで行われていた長南の六斎市では露店で売られる、春の風物詩だったとか。人形の中に粘土の玉が入っているので、振るとカラカラと音がするので、「石ころ雛」と呼ばれたことも。昭和の時代になるまで、庶民のひな人形として親しまれてきた。
 同館の風間さんは「芝原人形は、単に玩具・工芸品というだけでなく、郷土のひな祭りと結びついた民俗史料。本企画展で芝原人形と一般的なひな祭り関連資料を併せて展示し、芝原人形本来の性格を改めて知ってもらえたら」と話す。
 春の訪れを、明治、大正の風俗を感じ取れる芝原人形の彩りからも感じてみては。今回の展示では、かつての芝原人形では希少だった内裏雛のセットも展示されている。人形以外にも、田中家に伝わる製作用具県指定有形民俗文化財)なども展示。

開館時間9~16時、期間中無休。入館無料
問合せ 長南町郷土資料館(長生郡長南町長南2127の1)
TEL 0475・46・1194

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