文学史の中で息づく市原の歴史を探る

 10月25日(日)、三和コミュニティセンター主催で行われた『市原の文学史』講座。講師は市内在住の鈴木仲秋(ちゅうしゅう)さん。同講座では、主に市原にまつわる古代文学史について触れた。数多の書籍に登場、題材とされてきた『上総下総の国』の成立は5から6世紀とされているがまだよく分かっていない。
「今日は、五井駅付近で上総国府祭りが行われていますね。では、国府はどこにあったのでしょうか」と鈴木さんは冒頭で問う。重ねて「市原は、どうしてその名前になったのか」と続けるが、実際は諸説あるもののはっきりとしていない。ただ、総(ふさ)の国は『麻』が多く作られていたことで、やがて『上総』『下総』に分かれたという。
 身近な地名が出てくると、知識に比例して興味が湧くのか、受講者の頷く回数が増す。「先生がとても詳しいので、勉強になります」という声も。他に、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)や更級日記、柿本人麻呂が詠んだ歌についての解説を含め、講座の中では文学を飛び越えた話が披露された。また鈴木さんは、「市原市でも小説を書かれた作家が数名いますが、伝承や歴史を題材にした作品が多くあります。私は、若い方々にもう少し文学に目を向けて欲しいですね」と訴えた。

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