百人一首 新春に響く笑い声

 「きみぃーがぁーためぇー」こぶしをきかせた風情のある読み方に、やや気を引き締めながら札を目で追う。そして、「はい!」かけ声とともに元気よく手を伸ばす。
 1月23日、市原南ライオンズクラブ主催の『新春かるた会(百人一首)』が南総公民館で行われた。参加者は13名。上の句を読み上げている間に下の句が書かれた札を探すというルールを知らない人から、小学生以来久しぶりという人や競技かるた経験者まで様々。お手つきもOKの勝敗にこだわらないカルタ取りを楽しんだ。
 初戦は円になって乱取り。お気に入りの札を手に入れて喜ぶ人、「おーっと!」目の前の札を取られて悔しがる人、笑い声あふれる和気あいあいとした戦いが繰り広げられた。昼には同クラブ会員手作りの具だくさん豚汁を食べ、午後からは2チームに分かれて行う源平合戦を。後半は慣れてきたのか素早く手が出るように。勝敗にこだわらないとはいえ、札が残り少なくなると前のめりになり真剣な表情になる。最終の源平合戦では白熱した戦いを見せた。
 途中、近隣の小学校などで俳句の指導をしている白鳥忠俊さんが尾形光琳筆、金箔で縁取られた百人一首札のレプリカを披露し、その美しさに一同、目を見張る場面も。
 大人たちの間で奮闘していた小1の男子は「楽しかった。頑張って句をもっと覚えたい」と、ある女性は「初めは2枚しか取れなかった。この会に参加するために勉強しているのよ。古典に触れる楽しさがある」と笑顔で話した。
「老若男女問わず、かるたの輪が広がっていくといい。子どもの頃から百人一首に親しんでおけば、高校での古典の勉強もなじみやすいしね」と同クラブ会長の青木良光さん。来年の開催が楽しみだ。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1.  日本百景のひとつ、茂原公園の満開の桜。春爛漫の風景が堪能できる『茂原桜まつり』の期間中、3年ぶりに『茂原公園・桜の山の春の市』が開催されま…
  2.  読者の方々から映画に関するお問合せが多く寄せられましたので、今年度より「懐かしのシネマ」がスタートいたします。洋画・邦画・監督・俳優等、素…
  3.  昨年のゴールデンウイークに友人から「ウメハルシメジが公園に出たよ」と連絡がありました。ウメハルシメジはまだ見たことがないキノコです。さっそ…
  4.  昨年11月、市原市能満に市原歴史博物館がオープンした。これは既存の市原市埋蔵文化調査センターを増改築した施設で、愛称は『I’Museum …
  5.  御十八夜は市原市の中心に位置する米沢の森の標高162・3mの山頂で、晴れた日には東京湾やスカイツリー、北は筑波山、富士山、南アルプスや鹿野…
  6.  久しぶりに故郷の雑木林の中を散策しました。東日本大震災以来で、10年以上も足を踏み入れなかった事になります。以前は帰省する度、1〜2時間ほ…
  7. 【写真】ぬいぐるみたちのキャンプ  1月29日(日)、茂原市立図書館主催の『ぬいぐるみのおとまり会』が開かれ、児童12名と…
  8. 【写真】智明さんと悦子さん  長南町長南の大谷家具製作所で注文家具を手掛ける、家具指物師の大谷智明さん。静岡で『駿河指物』…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  昨年11月、市原市能満に市原歴史博物館がオープンした。これは既存の市原市埋蔵文化調査センターを増改築した施設で、愛称は『I’Museum …

スタッフブログ

ページ上部へ戻る