湖上の幾何学模様 山里吾郎

 ちょっと異様な光景にも見える。だが、良く目を凝らせば、整然とした幾何学模様が湖面をびっしりと覆う。市原市のほぼ中央部に位置する山倉ダム。その湖面に今、太陽光発電のソーラーパネルがびっしりと敷き詰められている▼ダムそのものは1964(昭和39)年、県企業庁によって建設された。臨海部に広がるコンビナート向けの工業用水で、湛水面積約61ha、有効貯水量450万㎡を誇る。もともとは県営だった湖畔の「こどもの国」と合わせ、市原市の貴重な水と緑の空間だ▼太陽光発電は再生可能エネルギーの切り札として原発事故以降、急速に普及した。地上の太陽光パネルはさして珍しくもなくなったが、水上版となるとちょっと異様に映る▼面積的な制約も少ない湖面上。今年中に約51000枚のパネルが設置される予定で、文字通り世界最大級のメガソーラーとなる。一見すると浮かんでいるようだが、事業者の京セラ(企業庁より公募で受注)によれば、湖底にアンカリングしたうえで、パネルをワイヤーで結び固定しているという▼実は自宅から近いこともあり、気が向けばウオーキングで足を延ばす散歩道。堰堤から眺めるたびに大きく変わっていく景観が気になっていた▼別の心配もある。生態系への影響。釣りが禁止されていることもあって、鯉や鮒、鰻など多くの在来種も生息している。この点について事業者は「もちろん水質への影響には十分、配慮している。太陽光の遮断でアオコの発生が防げる利点もある」と自信を見せる。自然エネルギーを生み出す太陽光パネルと自然環境の調和をぜひ実現して欲しい。

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