藍色の実サワフタギ

 5月の里山に咲いていた白いサワフタギ。オシベが飛び出しケバケバしているが、少し離れると羽毛のようにも見える。秋になると、大きさ7ミリぐらいの実が藍色に熟すという。別名ルリミノウシコロシ(瑠璃実の牛殺し)。
 瑠璃色で思い浮かぶのは宝石の瑠璃、野鳥のルリビタキ、蝶のルリシジミ、ルリタテハ。が、すべて写真でしか知らず、実物は見たことがない。藍色というより濃い紫みの青に近いのだろうか。秋がようやくやってきて期待が高まった。
 サワフタギ(沢蓋木)はハイノキ科ハイノキ属の落葉低木、高さ3?5メートル。葉は互生、長さ4?8センチの倒卵形、両面に毛があってざらつく。5月ごろ、よく分枝した先に円錐花序をだし、7ミリぐらいの白い花をつける。花冠は5深裂する合弁花。
 張り出した枝が沢をふさいで、蓋のようになることから「沢蓋木」。牛の鼻輪を作るくらい木が硬く、頭をたたくと死んでしまうということから「瑠璃実の牛殺し」。また焼いた灰を茜染めや紫根染など、錦を染める時の媒染剤に用いたことから「ニシコリ(錦織)」という別名もある。
 10月になって色づいた実を探して散策した。思いがけないものに出会えるのもいいが、期待したものに出会えるとうれしく魅入ってしまう。赤色の実ほどの存在感とは異なり、近くに寄らなければ気が付かないほど目立たない。緑の葉との対比で見つけやすそうだが、茂った葉に隠れ気づき難い。11月に葉が落ち、藍色の実だけが残る姿もまたいい。
 樹木ではサワフタギぐらいといわれる青い実が見られるのも、市原の自然が豊かな証。いつまでも大切に残していきたい。

(ナチュラリストネット/野坂伸一郎)

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  今年8月1日、スタートしたばかりの『茂原シニアアンサンブル(以下、茂原SE)』。茂原市ほのおか館(本納公民館)にて、毎週土曜日に練習を行っ…
  2. [caption id="attachment_37361" align="alignright" width="150"] 稲荷の祠[/c…
  3.  明治時代から天然ガスの採掘が行われている茂原市で、天然ガスに焦点を当てたご当地検定「もばら検定ガス博士」が8月29日・30日に行われました…
  4.  先日のこと。いつものようにパソコンデスクにコーヒーカップを置きました。その時、フッと『こぼしそうだな…』と思ったんです。その後、席を立って…
  5.  つぶらな黒い眼が愛くるしい『ウリ坊まん』。大多喜町特産のタケノコと、同じく町内で獲れるイノシシの肉が具材の肉まんだ。 [capt…
  6. 「持続化給付金」は新型コロナウイルスの影響で売り上げが大きく落ち込んだ事業者が対象で、確定申告の書類や通帳の写しなどを添付し申請、認められれ…
  7.  写真は、昨年10月25日、台風21号の影響による豪雨の直後に、市原市・新番場橋の上から撮影したものです。川幅いっぱいに増水した川の水が今に…
  8.  昨秋の集中豪雨で作品・建物共に被災し、休館していたホキ美術館(千葉市緑区)が8月1日、約9カ月ぶりにリニューアルオープンした。新たなスター…

ピックアップ記事

  1.  今年8月1日、スタートしたばかりの『茂原シニアアンサンブル(以下、茂原SE)』。茂原市ほのおか館(本納公民館)にて、毎週土曜日に練習を行っ…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る