ピンクのエプロンで食改さんがやってくる

 『私達の健康は私達の手で』という文字の記されたTシャツの上にピンクのエプロンと三角巾をつけ、食育活動する市原市食生活改善協議会。会員の食生活改善推進委員は『食改さん』と呼ばれ、各地域で活動を行う。有秋中学校と有秋南小学校で授業を行う有秋支部の会員は10名。支部長の宮崎順子さんは「食物の命を感じる力、元気な身体が解る力、食物を選ぶ力、食物の味が解る力、料理のできる力をつけ、自分一人で生きる力を培ってほしい」と話す。
 9月、有秋中学校(校長 麻生豊)の2年生は食改さんによる講義と調理実習を2日に渡り受けた。バランスのよい食生活の大切さなどの座学を前週に終え、9月13日は2年3組が調理実習を行った。作るのは鶏肉と野菜のデミグラスソース煮込みと白玉団子入りフルーツポンチ。主菜は、フライパンひとつで調理でき、同じ素材でシチューやカレーにも応用できる市販品のルーを使うなど、一人でも作れるように配慮されている。もちろんカロリーと栄養バランスも考えてある。授業は「近所のおばさんと一緒に料理する雰囲気で進めている」そうだ。生徒と顔見知りの会員もおり、「一人暮らしになったとき、料理ができれば友達が集まるわよ」、「デミグラスソース煮込みにかけるスキムミルクは、戦後の食糧難のとき、子どもたちの栄養源だったの」などの会話が弾む。
 教頭の伊藤究さんは「地域の大先輩の話は言葉の重みが違う」、担当教員の本吉博子さんは「1日に必要な野菜350グラムをポリ袋に入れて見せるなど具体的でわかりやすく、生徒たちは真剣に聞いている」と支部の授業を高く評価する。調理後に感想を聞くと、男子生徒は「自分の体は毎日食べる物でできていると気づいた」、「お母さんは毎日なので大変だと思った」、女子生徒は「栄養バランスを覚えたい」、「ルーは具材の上に置くと焦げないと教えてもらった」などと答えた。有秋南小学校では児童が育てた作物を調理するそうだ。
 平成24年から始まった授業について、県協議会の本部役員も兼ねる江村寿子さんは「学校が快く受け入れてくださり、感謝している」、副支部長の小林タカ子さんは「子どもたちからパワーをもらえる」と充実した様子で話す。座学は会員が交代で話をするが、「内容に自信はあるが、人前で話し慣れていない」という「近所のおばさん」ならではの苦労もあるようだ。
 有秋支部は平成8年に姉崎支部から独立し、2年に1度行われる食生活改善推進委員養成講座の受講者で発足した。有秋公民館で月1回の伝達料理講習、年1回の公民館主催料理講座を開き、高齢者の集まりやガン患者の講座にも協力する。全国で食生活改善協議会の会員は16万人。市原市は6支部が各地域で使命感を持って活動している。

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