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季節のスケッチ
- 2017/4/21
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俳画と文 松下佳紀
私の家の裏は崖で、その下は谷田であったが今は草が茂っている。雉がよく鳴くが、地震が発生した時の声が微妙に違うのを知った。その微妙さは説明し難いが、何よりも地震を察知するのが早い。あっ地震だ、と私が気づく前に彼はすでに警告を発しているのだ▼地震に敏感なのは大地に接している野生動物であろうが、先の東日本大震災に遭遇した我々は、今や彼ら以上に敏感になっているかも知れない▼話は変わるが、崖下の谷田は道路になる。つい最近工事が始まった。今は土がむき出しだが、いずれは舗装され車が走る。もはや雉も姿を消すだろう。蛙の声も聞けなくなるだろう。木に遊ぶ小鳥の数も減るだろう。これは私の直面する天変地異である。