僕たちのことを知ってほしい

ひびき手伝い隊

 庭木の手入れ、草刈り、畑作業、部屋の片づけ、窓ふき、家具の移動など、地域の困り事を『ひびき手伝い隊』が解決している。作業を請け負うのは、茂原市茂原にある『ふれあい広場ひびき』(就労継続支援B型事業所)を運営するNPO法人『ひびき』。主に統合失調症やうつ病などの精神障がい者が通う事業所は、安心できる居場所作り、社会参加や就労支援などの役割を果たしている。
 現在、通所者は27名。昨秋からはじまった『ひびき手伝い隊』の活動には希望する者が参加し、職員と2人1組の場合、1時間1500円(草木やゴミの運搬処分費は実費)の格安の料金で作業を行っている。すでに、新たに畑を作るので雑草の生えた土地を整備してほしい、施設に入居する高齢者の家を整理してほしいなどの要望に応え、多くの依頼者に喜ばれている。熱心に庭の手入れをする姿を見た近所の方からの申し込みもあり、隊員の仕事は日に日に増えている。
 今年の夏、2度目の草取り作業を依頼した55歳の女性は夫と介護の必要な84歳の母親との3人暮らし。「昨年、私が体を壊し寝たきりになり、庭が荒れました。はじめは訪問介護の方から紹介されたのですが、丁寧な仕事ぶりにまたお願いしました」ときれいになった自宅の庭を満足そうに眺める。
 雑草を根こそぎ取り除いた隊員の七條隆さん(55)は「普段体を動かさないのでとても楽しく気持ちがいいです。夜、よく寝られます。感謝されると嬉しいです」とうだるような暑さの中で笑顔を見せる。付き添う職員は「事業所と家を往復するだけの障がい者も少なくありません。野外の作業は達成感もあり、回復にもつながる大事な仕事です。茂原市中きれいにしたい」と張り切る。
 代表理事の加藤正春さん(68)は「精神障がい者は陰に隠れた存在。4人に1人は一生の間に心の病になると言われ、誰でも障がい者になり得るのに偏見もあります。地域に出かけて仕事をすることで、理解を深めてもらう機会にもなります」と話す。多くは病気という困難だけでなく、長期にわたる服薬と副作用、偏見からくる孤立感、自信喪失、経済的困窮なども抱えている。
 「さまざまな苦労を通して、他者への優しさと心遣いを身につけている精神障がい者の多くは、助けられる存在から助ける存在になれるはず。今後は市と相談しながら、介護が必要な高齢者の買い物、ゴミ出し、洗濯などの生活援助へと手を広げていきたい」と夢を語る。「現在、市から借用中の建物は老朽化により、移転を計画中。移転先でも地域の方々との助け合いの輪を広げたい」とのこと。
 『ふれあい広場ひびき』の開所日は月曜日から金曜日の9時から15時まで。通所者(要医師の了解)、ボランティア募集中。30年前、事業所を立ち上げた家族会は長生郡市精神障害者家族会『ひびき会』となり、平成22年、精神保健福祉事業功労者として厚生労働大臣から表彰された。

問合せ ふれあい広場ひびき
    平田さん・加藤さん
TEL 0475・25・4175

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