房総往来

道の駅小学校 山里吾郎

 いま思えば、田んぼを潤す用水路の役目を果たしていたのだろう。自宅を出てすぐの通学路には小川が流れていた。ドジョウやザリガニ、シジミ…。途中、線路を越え高台にある小学校まで歩いて30分、何とものどかな6年間だった▼別に勉学に燃えていたわけではないが、中学を含め9カ年皆勤。小学生の孫たちに自慢する誇りの一つだ▼その母校が3年前、道の駅「保田小学校」に生まれ変わった。廃校利用の話題性からだろう、マスコミにも取り上げられ、今も人気の観光施設になっている。暑さの残る9月下旬、変貌した母校を訪ねた▼館山道のインターチェンジを降りてすぐ。便の良さも人気施設になった一因だろう。卒業から50年以上経つが実家や両親の墓も近くにあり、年に数回は里帰り“している。だから「道の駅」となった母校の情報だけは十分に承知していた▼駐車場に車を止めると正面に懐かしい校舎が。創立から約130年、観光・商業施設として再出発するにあたって大きく手直ししたのだろう、木造校舎で学んだ身には「ちょっとプレハブ観が強いかなぁ」…▼1階にはカフェや中華、イタリア料理、さらにおふくろの味を売る里山食堂、2階ではギャラリーや音楽室など学校らしさを演出。合宿を思わせる宿泊、温浴施設もある▼さらに体育館がメーンの直売施設。農産物を中心にクジラや干物、柑橘類の加工品などふるさと産品を満載▼「富楽里とみやま」「枇杷倶楽部」(富浦)「鄙の里」(三好村)など房州には有名処の道の駅が林立する。物珍しさだけではやがて飽きが―どう存在感を保つか、今後の課題だろう。

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