ふるさとビジター館 ホソバノハマアカザ

ホソバノハマアカザ

 今年は、台風による塩害の影響でモミジやイチョウなどの彩り鮮やかな紅葉が見られないとの声を聞きますが、養老川河口の水辺では、真赤に紅葉するホソバノハマアカザの群落を見ることができます。ホソバノハマアカザは、全国の砂浜などに生える1年草。草丈は30~60センチメートル。いわゆる高い耐塩性を持つ塩生植物です。葉は細長いですが多肉、葉の縁には不揃いな鋸歯があり、花は淡緑色です。市原市では、主に養老川河口に生育していますが、お隣の千葉市では、「消息不明・絶滅生物」に指定されているなど、全国的に少なくなっているとのことです。
ホソバノハマアカザは、満潮時に水面と陸地が接する高潮線という辺りに生育しています。種は主に水面に落ち、流れ着く先がちょうど生育しやすい環境でないと発芽しません。以前の養老川河口は、大半が直立護岸などであったため、ホソバノハマアカザにとって生育しにくい環境でした。しかし、今は、緩傾斜でその斜面に砂が堆積しやすい、生物の生育・生息環境と親水性を配慮した護岸に整備された結果、ホソバノハマアカザにとっては、ちょうど生育しやすい環境となっています。今後も安定した生育状況であることを願います。

ナチュラリストネット/時田 良洋

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