ふるさとビジター館 ホソバノハマアカザ

ホソバノハマアカザ

 今年は、台風による塩害の影響でモミジやイチョウなどの彩り鮮やかな紅葉が見られないとの声を聞きますが、養老川河口の水辺では、真赤に紅葉するホソバノハマアカザの群落を見ることができます。ホソバノハマアカザは、全国の砂浜などに生える1年草。草丈は30~60センチメートル。いわゆる高い耐塩性を持つ塩生植物です。葉は細長いですが多肉、葉の縁には不揃いな鋸歯があり、花は淡緑色です。市原市では、主に養老川河口に生育していますが、お隣の千葉市では、「消息不明・絶滅生物」に指定されているなど、全国的に少なくなっているとのことです。
ホソバノハマアカザは、満潮時に水面と陸地が接する高潮線という辺りに生育しています。種は主に水面に落ち、流れ着く先がちょうど生育しやすい環境でないと発芽しません。以前の養老川河口は、大半が直立護岸などであったため、ホソバノハマアカザにとって生育しにくい環境でした。しかし、今は、緩傾斜でその斜面に砂が堆積しやすい、生物の生育・生息環境と親水性を配慮した護岸に整備された結果、ホソバノハマアカザにとっては、ちょうど生育しやすい環境となっています。今後も安定した生育状況であることを願います。

ナチュラリストネット/時田 良洋

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…
  2. 【写真】教室の講師と子どもたち  JR浜野駅前と五井駅前でダンススタジオを経営する堀切徳彦さんは、ダンス仲間にはNALUの…
  3.  市原市不入の市原湖畔美術館にて、企画展『レイクサイドスペシフィック!─夏休みの美術館観察』が7月20日(土)に開幕する。同館は1995年竣…
  4. 【写真】長沼結子さん(中央)と信啓さん(右) 『ちょうなん西小カフェ』は、長生郡長南町の100年以上続いた小学校の廃校をリ…
  5.  沢沿いを歩いていたら、枯れ木にイヌセンボンタケがびっしりと出ていました。傘の大きさは1センチほどの小さなキノコです。イヌと名の付くものは人…
  6. 『道の駅グリーンファーム館山』は、館山市が掲げる地域振興策『食のまちづくり』の拠点施設として今年2月にオープン。温暖な気候と豊かな自然に恵…
  7.  睦沢町在住の風景写真家・清野彰さん写真展『自然の彩り&アートの世界』が、7月16日(火)~31日(水)、つるまい美術館(市原市鶴舞)にて開…
  8.  子育て中の悩みは尽きないものですが、漠然と考えている悩みでも、種類別にしてみると頭の整理ができて、少し楽になるかもしれません。まずは、悩み…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る