【市原市】地域共創の担い手たちが描く夢 市原高校ゴルフ部 始動!

 「全然当たりません。どこがいけないですか?」「どうしたらもっと飛びますか?」と、自分から熱心に質問したり、ボールを入れた籠が空になるまで、ひたすら黙々と打ち続けたり…。市内ゴルフ場の練習場で、県立市原高校ゴルフ部の生徒たちが各自のペースで熱心に部活動に励んでいる。
同校に通常とは少し異なる経緯でゴルフ部が誕生したのは今年4月。「鶴舞桜が丘高校との統合を機に、市原高校の地域連携事業の一環としてゴルフ部を立ち上げるということで、両校の校長が同意しました。市原市の観光協会や商工会議所、ゴルフ場の支配人会、OBの方など関係各位のバックアップがあり、およそ1年間の準備期間を経て動き始めた話で、普通の部活動のように生徒会にかけたり、まずは同好会から…という形ではなく、創部ということになりました」と顧問で監督の永野竜哉教諭。

 バックアップの背景には市原市と市原高校の地域共創に関する協定の締結がある。南部地域を若い力で盛り上げたい市原市と、地域共創・自主自律の校訓を掲げ、将来にわたり地域で活躍する人材を育成したいという市原高校の思いが一致した。部員の勧誘にあたっては、入学前には保護者に向けて案内を、入学式当日からは生徒に説明文を配り、当初集まったのは3名。さらにその友人も加わり現在7名の部員が在籍。全員が1年生でゴルフ未経験者。ゼロからのスタートだそう。
 部長を務める本井音乃夢(ののあ)さんは「初心者だから、まずクラブの持ち方から、まるっきりわからなくて、今日もコーチに教わってばっかりで。全然遠くに飛ばないですが、いつか大会に出られるように、基礎的なことがしっかりとできて、もっと打てるようにしたいなと思っています。コーチは皆のペースに合わせて教えてくださっているので、とても練習しやすいです」。副部長の飯塚大歩(あゆむ)さんは「親に、将来、社会に出た時のためにゴルフはおすすめだよって言われてゴルフ部に入りました。当たる時と当たらない時があって、すごく難しいです。ゴルフ場の練習場を使わせてもらって、素人なのでもったいないような気がしますが、めったにできない体験なので入部して良かったです。これからも続けて、挨拶など礼儀を学びたいです」とのこと。

周囲のサポートも熱く

 5月上旬、部員たちはプロのゴルフ大会のボランティアを務めた。朝6時から3日間頑張ったという。特に最終日は、雷で2時間半中断して表彰式が夜7時を過ぎてしまったらしい。ゴルフの『いろは』を懸命に学ぶ姿勢に、指導、練習環境の整備、用具の寄付など周りのサポートも熱い。

 取材日の練習場だった千葉よみうりカントリークラブ所属の野内尚美(なおよし)プロは、創部と同時に指導を始めた。「指示に従うだけの練習では、その人の自主性が消えてしまいます。高校生の皆さんには自主性が必要なので、すごく難しいことはやってないです」と話しながらポケットからメモを出す。そこには全員の名前とスポーツ名が書かれていた。「全員のスポーツの経歴を聞き、それに基づいてケアをしています。同じ事の指導でも今までやってきたスポーツによって、教え方やアドバイスのポイントが違ってきます。君の場合はこうした方がいいと教えると、あの人はこうだけど自分はこうだから、自分のペースで頑張ろうということができるんです。それから『次も当たりが悪かったらティー打ち5回だぞ』などと、ゲーム的な要素も入れています。『ダメ』という言葉や専門用語は使いません」と、個々に添って楽しませる指導の一方、なかなか思うように打てない部員に、アドバイスや励ましの声をかけ続ける。
 同校卒業生の安藤佑一プロは「母校にゴルフ部ができたので、この中から誰かプロゴルファーになってくれればそれは一番嬉しいことだけど、プロゴルファーになることが最終目的ではありません。ゴルフができると、社会に出た時に役に立つことが結構ありますし、マナーなどいろいろ知っておいた方が本人のためになります。今まで自分が見たり聞いたりしてきたことを、アドバイスしてあげられたらいいなと思います」と、2週に1度は訪れているそう。クラブの支配人、他のゴルフ場で練習する際にコーチを行っている別の支配人も様子を見に来ていた。
 永野監督は「今はまだ上手くできなくて当然ですが、子どもたちはそれに失望せず真面目に一生懸命やっています。できなかったことが一つ一つできるようになる喜びを感じさせてあげたいです。まずはゴルフの基本として挨拶ができるようにマナーを身につけ、個人の技量を上げるため自主的な活動ができるようにと考えています。今年は18ホールで100を切り、2年生になったら大会に参加できるように、将来は、ゴルフに興味を持ってゴルフ場で働くのもいいし、最終的にもしプロが誕生したらなおいいです」と、生徒たちの未来を描いている。
問合せ:市原高校
TEL.0436・92・1541

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