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ふるさとビジター館 いちはら自然探訪 ハコベ
- 2020/2/6
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- ふるさとビジター館
春の息吹を感じながらも、まだ陽当たりが良い所を選んで散歩をする。陽だまりの野草を見ると、大きさ7ミリぐらいの白い花が見られるようになった。
ナデシコ科ハコベ属の1~2年草ハコベ(繁縷)。ミドリハコベという別名もある。市原の全域で見られ、早くから咲きだす。コハコベ、ウシハコベ、ノミノフスマも、少し遅れて咲きだし、市原全域で見られる。南部の湿地ではサワハコベ、ミヤマハコベがひと月遅れる。
ミドリハコベの花は、白色の5弁。基部まで2裂するので10弁のように見えるのは、ハコベ属の特徴。花の中心に花柱という白い糸のようなものは3本ある。横に這って生育し、よく枝分かれして高さ10~30センチになる。緑色の茎の片側には1列に並んだ毛が生える。葉は対生、長さ1~3センチの卵型。
旧暦1月7日の七草粥、材料のハコベラはハコベのこと。新暦2月はおよそ旧暦の1月に相当する。散歩の途中で摘んで、粥に加えてみるのもいい。七草すべて揃わなくとも野趣は楽しめる。平安時代にはもうあったという行事の伝承で、市原の豊かな自然を、大切に残すことにつなげたい。
(ナチュラリストネット/野坂伸一郎)