ふるさと点描 ~悠久の刻~

 市原市と君津市の間に横たわる山並み・音信山。この丘陵の北面に尽きる所を橘山といい、房総半島のほぼ中央に位置します。この山の奥深くには県内屈指の仏像彫刻群が安置されている橘禅寺があり、風光明媚な山頂で千二百年の歴史を今も静かに語り続けています。
 昭和39年、橘山の諸像は県の調査の対称となり、薬師三尊・金剛力士阿吽二像・神将二像の七体が県重要文化財に指定されました。また境内は植物学的にも重要な極相林の森であることから、県の保護林にも指定されたと言う事です。
 今の橘禅寺は、神社を含めて「たちばな」と言う呼称で地元の人々に親しまれていますが、現在は単立寺院となっています。その境内の一画を譲り受けた所に「羽衣広場」があります。昭和59年、彫刻家の北村西望先生鑑修の慈母観世音が建立されました。北村先生と言えばあの「長崎平和記念像」を設置された方でも有名です。当日の除幕式には先生はもとより、当時の千葉県知事でもあった沼田武先生も出席しての式典だったようです。今では訪れる人の少ない広場ですが、平和の象徴として建てられた像を一度訪問してはいかがでしょうか。
(市原市写真連盟所属・南市原写真クラブ 桐谷茂生)

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