こでまりの夢 ~大きいやかんは沸きが遅い~

 子育てのことわざで、「大きいやかんは沸きが遅い」というものがあります。小さいやかんでは、すぐにお湯が沸きますが、実は大した量ではありません。大きいやかんは時間がかかりますが、その分大量のお湯が沸きます。それと同じで、小さいことがすぐにできるようにならないからといって焦る必要はなく、長い目でみて待てば、後から大きな成果が待っているという意味です。大器は晩成する、とも言えますね。
 今年は新型コロナウイルス感染予防対策で、学校が臨時休校になりました。学業が遅れることが懸念されていますが、長い人生からみたら、そう長くない時間かもしれません。長い目で見たら、この経験も確実に学びになることでしょう。子どもを育てる上で大切なのは、長い目で見た「資質・能力」の部分です。大きな木は大きな根っこがあります。しかし、どれだけ大きな根っこでも目には見えません。子どもの頃なら尚更です。目に見えないからと、それを掘り起こして「大きくなっているか?」と確認するのではなく、穏やかな気持ちで、愛情をかけて育てることの方が、この時期には必要なことだと思います。
 子どもたちは皆、大器晩成する可能性があるのです。言葉に出して励ましてあげましょう。

中嶋 悦子(なかしま えつこ)
1965年生。宮崎県出身。二男二女の母。大網白里市在住。エンカレッジ・ステーション(株)代表取締役社長。NPO法人民間児童館おおきなかぶ理事長。社会福祉法人ありんこ会理事長。ありんこ親子保育園園長。保育士。エッセイスト。 TEL.0475-53-3509

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