『糸かけフェスvol.1』開催中 ~いちはらアート×ミックス2020+~【市原市】

『糸かけデザイン研究所』所属、新進気鋭の糸かけ師6人の糸かけアート展が『いちはらアート×ミックス2020+』の『おもてなし交流プログラム』として12月17日~19日(10時~16時・最終日15時)内田未来楽校で開催されている。ワークショップ(予約優先)では糸の直線が作り出す美しい曲線の不思議を体験できる。

6人の糸かけ師の作品

『糸かけ』は、板に釘を打ち一定の決まりに従って順番に糸をかけ様々なデザインを描くアートである。五角形や六角形などの多角形はもちろんのこと、美しい円や、花びらなどの曲線を浮かび上がらせることも可能。糸かけの基本である『循環かけ』で重要なのは、全体の釘の数と、何個おきに糸をかけるか。全ての釘にまんべんなく糸をかけて図形を描くためには、この2つの数が「互いに素(それぞれの数を割りきる数で両方に共通するものが1以外にはない)」であることが必要。つまり糸かけは算数がベースとなっている。

皐月さんと作品

「難しいと思われるかもしれませんが、初心者用にはピンシートがあります。その通りに釘を打ち、テキストを見ながらルールに沿って糸をかけていけば、どなたでもきれいな作品ができます。ワークショップでぜひ体験してみてください」と話すのは、市原市在住の糸かけ師・皐月さん。指先と脳への刺激が期待でき、最近は介護の現場でも『糸トレ』として注目されているという。 『糸かけ数楽カフェ』(糸かけを受講できる教室の通称)では32種の基本形を習え、これを応用していくと、オリジナルな幾何学模様に挑戦できる。新しい作品を作っている最中に「あ、こんなのもできるかも」と次のアイディアが生まれることもあり、「世界がどんどん広がる」とのこと。

基本的な36図形

 材料選びも楽しそうだ。釘一つとっても、頭が平らなもの、丸みのあるもの、ステンレスや真鍮、銅などいろいろな種類がある。板は柔らかすぎると釘が倒れてくるので注意が必要だが、基本的には好きな板でよく「百円ショップの板でもいいんですよ。作品に合うようにペンキを塗ったり、シートを貼ったり。糸も、艶のあるミシン糸や刺繍糸、絹糸、毛糸…太さや色など、出来上がりの図形を考えながら選びます。リズムよく糸をかけるのは心地よい集中です。でも、糸が足りなくなって慌てることもあります」と笑う皐月さん。想像以上の出来上がりに、達成感が味わえるそうだ。
 糸をかけていくにつれ徐々に姿を現す美しい模様、完成させた時の喜び…絵を描くのは苦手という人でも手軽に芸術体験ができ、上を目指せばどこまでも奥が深い糸かけ。まずは実物を間近で御覧あれ。直線が描く円や螺旋の魅惑の世界が待っている。釘や糸の種類、遠近感の工夫などに目を凝らせば、糸かけ師の息づかいをも感じることができるだろう。アート×ミックス期間中、20日以降はマナビオ(市原市五井中央南1の12の9)でも体験できる。

問合せ:松山知子さん
Tel.0436・26・5267
・内田未来楽校 12月17日~19日(10時~16時・最終日15時)
・マナビオ 12月20日~26日(10時~15時)

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