先日、富里市で西洋ミツバチの養蜂を営んでいるHさんの所を見学させていただきました。自分が飼っている日本ミツバチとの違いに興味を持ったからです。西洋種は、たくさんの蜜を得るため飼育しやすいよう品種改良されたものを指し、日本種は東洋ミツバチの亜種で、古くから日本の国土に住み続ける野生種を指します。西洋種はある時期、特定の花から蜜を採取しますが(販売されているハチミツの瓶のラベルにリンゴ、アカシアなど記載されているのはそのため)、日本種は様々な花から蜜を採取し『百花蜜』と呼ばれています。

 Hさんは養蜂歴10数年、趣味の範囲でミツバチを飼っていますが、退職された後は違った世界も見てみたいと、養蜂も含めて様々な事にチャレンジするそうです。そのHさんが仲間の1人のKさんを連れてきました。Kさんは来年の冬に成人式を迎えようとする若干20歳の青年ですが、蜂歴はなんと16年、3〜4歳の時から蜂に興味を持ち、以来ずっとその魅力に取り憑かれ、ミツバチのみならずスズメバチも愛する最強の蜂愛好家です。彼曰く、「スズメバチもミツバチ同様、自然界の中で必ず役割を持っています。いくら天敵だとはいえ、単純に殺してしまう事は賛成できません。共存の道を探るべきです」と。

 養蜂家が作る巣箱の入り口は、スズメバチが容易に侵入できないよう6〜7㎜の隙間を作り、そこからミツバチを出入りさせています。自然界の中では、そのような条件の巣に適した場所など存在しないにも関わらず、日本ミツバチがスズメバチによって絶滅させられないのは何故でしょう? ミツバチを守るためにスズメバチを捕獲し殺す事こそが当たり前だと思っていましたが、実は自分自身も生態系のバランスを破壊している中のひとりだったと気づかされました。成長させられた1日でした(汗)。

 

◇長谷川良二。長柄町在住。ハーブコーディネーター、ガーデニングコーディネーター、歯科医師。市原を中心に公民館でのハーブの指導などをしながら自然栽培で野菜を育て、養鶏、養蜂にもトライ中。

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