今回も引き続き、富里市のHさんの養蜂場に行ってきました。セイヨウミツバチの内見の仕方を教えていただきます。前回は来れなかったアメリカ人のDも、今度は一緒に参加です。Dは20年もの間、ずっと養蜂をやりたいと願いを持ち続け、9年前に来日してからもその夢を胸に抱き、今年の春にようやくセイヨウミツバチ2群を飼う事ができました。ですが、アメリカとはスズメバチなどの天敵、気温や湿度などの条件がまるで違うため、実際の飼い方を誰かに教わる必要性を感じていました。そこでセイヨウミツバチの詳しい飼い方をHさんにお願いしたという次第です。

 さて、今回は夏に行う「巣箱の内見の仕方」を見せていただきました。全部で10箱、確認の項目は、①分蜂を防ぐため、まだ孵化していない女王蜂のいる王台と呼ばれる部屋の除去。②女王蜂の有無や健康状態。③ダニの有無と蜂がそれに感染しているか否か。④蛾の幼虫であるスムシの有無。⑤ミツバチの卵の有無や数。⑥蜂蜜の有無や量など。他にも何か変化がないか確認したら、最後に餌である砂糖水をたっぷりと巣箱の中の容器に補充します。

 前回もお話しましたが、蜂たちの飼い主であるHさん、これからは他の様々な事を経験したいと近々仕事を早期退職し、ご自分の夢に向かって歩き出されるそうです。Hさんの養蜂仲間のKさんは、この前20歳になったばかりですが、蜂歴16年と誰よりも蜂に関する知識を持ち、今後もずっと養蜂に取り組んでいこうとしています。そしてアメリカからやって来たD、彼はいつか孤児院を持ち、身寄りのない子供たちに養蜂の素晴らしさを教えていきたいという夢を持っているそうです。

 ミツバチたちが人々の輪を広め、それぞれの思いを育んでいきます。まだまだ小さな輪ですが、これからも大切にしていこうと思っています。

 

◇長谷川良二

長柄町在住。ハーブコーディネーター、ガーデニングコーディネーター、歯科医師。市原を中心に公民館でのハーブの指導などをしながら自然栽培で野菜を育て、養鶏、養蜂にもトライ中。

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