百年後芸術祭ー内房総アートフェスー春の風に誘われて アートな散策へ~アート×ミックス2024~5/26(日)まで開催~【市原市】

【写真】アブドゥルラーマン・アブダラ『最後の3人』(平三)

 

 千葉県誕生150周年記念事業『百年後芸術祭~環境と欲望~内房総アートフェス』が5/26(日)まで開催されている。総合プロデューサーは音楽家の小林武史、アートディレクターは『いちはらアート×ミックス』も手掛けた北川フラム。市原・木更津・君津・袖ケ浦・富津の内房5市を舞台に、国内外のアーティストのアート作品の展示、音楽・映像・ダンス・テクノロジーが融合したライブパフォーマンスや、食をテーマとした体験型プログラムが繰り広げられる。市原市では『アート×ミックス2024』を市内7つの拠点を中心に展開している。

10年目の春

岡田杏里『月が生まれたとき』(月出)

 2014年に始まった『いちはらアート×ミックス』は、今回で4回目。会場で出会う人の多くが「前回のアートミックスが楽しかったのでまた来ました」と口にする。10年の間、作品が変わらずそこにあるために地域の人が手をかけ守り続けているものも少なくない。作品をただ鑑賞するだけでなく、メッセージを発し、メッセージを受け取り、その作品を支えるあらゆる人々の情熱が幾層にも積み重ねられている、そんなことを体感できる芸術祭だ。

 旧月出小学校が芸術の発信拠点として生まれ変わった月出工舎には、作品13点が展示されている。アートミックスへの参加がきっかけで市原に移住した染織作家・岡博美さんの新作は、『そことここが つながる時』。月出の植物で染めた布をガラス管に閉じ込めた。サクラ、ウメ、ビワなど、森を整備した廃材を利用し、藍は月出工舎で育てたものだ。「月出の森が秘めたカラフルな世界を再現できないかとの想いを形にした」と岡さんは語る。週替わりのサンドイッチやデザートが楽しめる『ヤマドリ珈琲』は、金土日・祝日の営業。5/5(日)夜間の『月夜のアートキャンプ』は申込み不要。

 市原湖畔美術館では、多文化共生社会の実現に向け『ICHIHARA×ART×CONNECTIONS|交差する世界とわたし』を6/23(日)まで開催(詳細は2ページにて)。田淵のチバニアンビジターセンター周辺では、5/18(土)、19(日)にニブロールのパフォーマンス『風か水やがらんとした空か』が行われる。月崎駅に佇む『森ラジオステーション×森遊会』は、小湊鉄道の旧詰所小屋を森に見立てた木村崇人の作品。5/18(土)には『苔玉作り』などワークショップが開かれる。

藤本壮介『里山トイレ』(上総牛久駅)

 牛久では、上総牛久駅駅舎と商店街をフィールドに8作品を展示。『世界の9人の光のアーティスト』にも選ばれている千田泰広の『Analemma』は、暗闇に張り巡らされた無数の糸が光線によって照らしだされる幻想的な作品だ。柳建太郎の『KINETIC PLAY』は、ガラスが神秘的な光を放つ。土日・祝日にはガラス細工ワークショップが行われる。駅前には一見トイレとは気づかないユニークなトイレが5つ。藤本壮介の『里山トイレ』だ。

アートにグルメに盛り沢山

 2016年に140年の歴史を閉じた旧平三小学校。理科室や音楽室、階段など校舎をそのまま活かした作品が、光の点滅や音楽で来場者をハラハラとさせる。アブドゥルラーマン・アブダラの『最後の3人』は、閉校時に3人しかいなかった生徒を赤いリンゴに見立て、シャンデリアの華やかな明かりで照らす。会期中の土日には校庭で豚汁や焼き芋、ハンドメイド作品の店舗などが出店する。

森靖さんと『Start up―Statue of Liberty』(里見)

 旧里見小学校の体育館では、豊福亮が市原の工場夜景をモチーフに『里見プラントミュージアム』を構築。ヘルメットをかぶり懐中電灯を片手に進めば、さながら工場見学のよう。彫刻家・森靖の作品は『Start up|Statue of Liberty』。現代に必要とされる自由とは何かを考えながら、女性がモチーフの木彫2点を並行して制作中。アートフェス初参加という森さんは来場者との会話を楽しみながら「ここでしかできない新しい表現を探求できたら」と木を刻む。校庭では『SATOMI HIROBA』が料理とくつろぎの場所を提供する。5/18(土)の『おにぎりのための運動会』は、3日前までにWEBで要予約。最終日5/26(日)には、房総の様々な食材や料理を販売する『EN NICHI BA』(エンニチバ)がアートフェスを締めくくる。

 1928年建築の木造校舎を地元の人が協力して買い上げ、維持してきた内田未来楽校には2つの作品。上総地方の袖凧をモチーフにした角文平の『Homing』などが、空間いっぱいに展示されている。また近くの旧内田小学校ではアートフェスに併せ『おもてなし交流プログラム2024』が進行中。会期中の土日・祝日に、東京藝術大学の学生による作品展示や様々な体験プログラム、地元産品を生かした食も用意されている。

 作品公開時間は10時~17時。火・水曜定休(一部施設は時間・定休日が異なる)。作品鑑賞パスポートは一般3500円、小中高生2000円、小学生未満・障がい者手帳をお持ちの方と介添人1名無料。(千葉県内の小中学生には無料引換券を配布)、エリア鑑賞券、個別鑑賞券も有。無料周遊バス有。本稿紹介以外にもイベント多数。詳しくは公式HPで確認を。

 

問合せ:内房総アートフェス実行委員会事務局

Tel.0438・38・6563

https://100nengo-art-fes.jp/uchiboso/

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】大人のサポートでよりダイナミックな動きが楽しめるファンクショントンネル  更級に『いちはら子ども未来館・通称we(…
  2. 【写真】「川面に映える」Ⓒ市原光恵  6月6日から11日、夢ホール(市原市更級)で『小湊鐵道を撮る仲間たち』展が開催される…
  3.  5月26日(日)、市原市市民会館の大ホールで『第17回 シニアアンサンブル全国大会 創立25周年記念』が開催される。主催はNPO法人全日本…
  4.  初夏のこの時期、夕暮れから夜にかけて「ホッホウ、ホッホウ」と繰り返す声を耳にすることがある。アオバズクの鳴き声だ。木の樹洞を巣にするので、…
  5.  移住者の視点で、いすみ市と周辺の魅力的な場所をまとめたガイドブック『田舎歩き方・ 暮らし方♯1 千葉県いすみ市とその周辺2024』が4月2…
  6.  ティラノサウルス、トリケラトプス親子、ベロキラプトルなど、紀元前3000年前に存在した巨大な恐竜たちが千葉港に大集結。  リアルな恐竜ロ…
  7.  文学を愛する仲間たちが発刊する文学同人誌『槇』。46年前の1977年(昭和52年)に設立された『槇の会』が発行している。  同会は、『雪…
  8. 【写真】アブドゥルラーマン・アブダラ『最後の3人』(平三)  千葉県誕生150周年記念事業『百年後芸術祭~環境と欲望~内房…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】大人のサポートでよりダイナミックな動きが楽しめるファンクショントンネル  更級に『いちはら子ども未来館・通称we(…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る