森のガーデンへようこそ!
- 2013/5/2
- 外房版
森のガーデンへようこそ!
~夫婦2人で造る庭(長生郡長柄町)
市原から千葉茂原線(県道292号)で茂原市に向かい、市原市犬成のミニストップがある信号を右折し、ミルフィーユゴルフクラブを目指して道なりに行く。ゴルフ場正門向かいの細い坂道を下ると間もなく右手に、奥村恭敏さん(66)・俊子さん(63)夫妻が暮らす自宅が見えてくる。約600坪の敷地内に、奥村夫妻が暮らす洒落た家と広い庭があり、秋田犬の愛ちゃんの居住スペースも。
個性的な家のデザインは夫婦2人で考え、庭造りも2人で手がけた。「8年前に松戸市から引っ越してきました。ガーデニングは前の家でもやっていましたが、ここはロケーションが最高。思う存分ガーデニングを、プラスアルファーの様々な楽しみを満喫しています」と笑顔で話すお2人。田舎暮らしを考えた時、南房総など色々な土地を見て回ったそうだが、なかなか、ここ!という所はなかったという。たまたまネットで見つけたこの場所。「自然がいっぱいで、里山に抱かれたかんじが気に入った。でも町からそう遠くはないんですよね」俊子さんが楽しそうに言えば、恭敏さんも「私は千葉市に移した仕事場まで通っているんですよ」と目を細める。
芝の張りつけ、テラスや遊歩道は2人で造り、植樹も自分たちで行った。庭に置かれたテーブルやイス、囲炉裏やピザ窯、堆肥ボックス、愛犬のデッキ、ガーデニンググッズなどは皆、恭敏さんの手作り。庭を一望できる高台エリアは「見晴らしの丘」と名付け階段も作った。ここから眺める庭と家は、まさに里山に抱かれた印象。木陰になっているから夏でも涼しいとのこと。
野鳥のさえずりが耳に心地よく響き、庭を吹き抜ける風は爽やか。自慢の庭を眺めながらのティータイムもお2人の幸せなひととき。庭のあちこちにライトをつけ、夜のガーデンもまた違った風情でいいのだそう。「いつでも何かしら季節の花木が愉しめるガーデンを」と、庭に植えられた花や木は400種以上。ミモザ、スオウ、レンギョウ、ショウブ、サンシュユ、オオデマリ、ライラック、モッコウ、ヒメシャラ、サルスベリ、ツツジ、サツキ…これからはバラ、アジサイ、シャクナゲ等々が次から次へと開花する。また、「育て、見るだけでなく収穫の楽しみも」と、山桃、柿、プラム、ジューンベリー、サクランボ、カボス、ネクタリン、栗、杏、ゆすら梅、ビッググミなど果樹も多い。更に、あとで食用と知った「葉が大きくてきれい」と植えた秋田フキ。スパイスとして料理にも使う月桂樹やニッキ、ハーブもあるし、ぶどう棚やシイタケのほだ木もあった。
昨年は周囲の勧めで、初めて『ガーデン・オープン・チャリティ』(社会法人NGSジャパン主催)に2日間協力した。1300人もの来場者が訪れ、同企画では記録的な数だったとか。奥村夫妻は「私たちの庭造りに完成はありません。目指すのは洋風のナチュラルガーデン。そして、当初は自分たちだけの楽園が造れたらと思っていたけれど、私たちの庭に来た方が癒されたと言ってくれたのが嬉しかったので、再びオープンガーデンをしようと考えました。ただ、前回のオープンガーデンは2日間だけだったので、来てくださった方も混雑して落ち着いて庭を見られなかったのではと思うし、私たちも慌ただしくて大変だったので、独自にオープンガーデンをやることにしました」と語る。
期間は5月16日(木)から7月中旬までの水曜日から日曜日。駐車スペース収容事情や混雑緩和のため、事前に予約の電話が必要。月曜日と火曜日はお休み。東日本大震災の被災地への支援金に充てるため、前回同様に1人500円の入場料をお願いする。収益金は長柄町を通して被災地へ。「休憩したり、飲食できるよう敷地内にはテーブルとイスを13カ所に置いてあります。飲食物の持ち込みはオーケーですので、時間を気にせず、のんびり花や草木を眺めながら過ごしてもらえたら。私たちも来ていただいた方と、ゆったりコミュニケーションをとりたい。花や庭を愛する方々と庭を通じて、お友だちになれるのは大変嬉しいこと。もちろん、お友達同士の語らいの場に、またはリフレッシュの場として過ごしていただいても構いません」終始、笑顔のステキなご夫婦だった。