介護が楽しくなる話

 10月18日に茂原市役所で城西国際大学公開講座の第3回『災害時にも役立つ楽々介護(快互)入門』が開かれ、13名が参加した。現代社会が抱える介護問題。深刻なテーマだと思われがちだが、講師を務めた同大学福祉総合学部福祉総合学科の客員教授、松下やえ子さんは冒頭で「長寿は素晴らしいこと。長く笑顔で生きて、高齢者が社会を引っ張っていけるようになれば」また、「介護は大変なものではないです。皆さんが笑顔になるような講義をお届けします」と話した。
「介護が必要になっても、住み慣れた地域で自分らしく暮らしたい」誰しもの願いを実現させるためには「平常時から地域の人々と支え合い、繋がっていくことが必要不可欠」また、仮設住宅に住む被災者と交流した経験から「生きる力を引き出すためには受け身の人を作らないことが大切」だと松下さんは説く。世話をするだけではなく一緒に植物を育てたり、小物づくりなどをすることで被災者達は笑顔を取り戻していったという。
 また、実際に介護をするにあたり労力を軽減する方法を紹介。体の下にスーパーのレジ袋などツルツルするものを敷くと小さな力で人を移動することができる。ベッドを高くしておいてから人を車椅子に移動すると介助が楽になるなど、ちょっとした工夫で負担を軽くすることが可能だと知った。人に行動を促したい時には、いかに人の心が動く声かけをするかが重要になってくる。例えば、目覚めの悪い人に「朝ですよ、ご飯ですよ」と言うより「今日のおかずは美味しい鮭ですよ」と言い方を変えてみると効果がある。
 次は、災害時に準備しておくと介護に便利なものの一例だ。まずは前述した理由から、レジ袋や45Lのビニール袋。簡易トイレ用にダンボール箱と臭い消し用の猫砂。一時的なオムツを作るのにシーツと新聞紙なども役に立つ。
 講義の合間に、頭と体の老化を防ごうと、歌に合わせて体を動かす、折り紙でポチ袋を作るなど受講者参加型の場面も設けられていた。二人組で行うゲームもあり、大きな笑い声が部屋中に響いた。
 介護への考え方が一転、積極的に介護してみたくなるような楽しい講義は受講者からの大きな拍手で幕を閉じた。「『すみません』ではなく『ありがとう』という明るい気持ちで介護を受けられそう」との声も。「勉強することが大好き」と話す76歳の女性など、生き生きとした笑顔の受講生たち。この中からも地域コミュニティの新しい担い手となる高齢者が生まれるのではないか、そんなことを感じた。

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