故郷は自分たちの手で守る

 茂原市本納にある周囲650mの鞘戸池は三方を里山に囲まれた静かな癒しスポット。初夏には約300本のアジサイが土手を飾り、青々とした樹々が水面に映る。茂原北陵高校生のマラソンコースや近隣住民の散歩道として密かな人気を呼んでいる。
 この池の周りの本格的な手入れが、第七区自治会内で定年退職をした男性12名の『鞘戸池美化運動有志の会』によって始められたのは2年前。古木や竹が入り混じった藪を開墾するのはかなり骨が折れたそう。以降、草刈りや除草剤散布、アジサイの剪定など年に6回ほどの活動を行っている。代表の吉井幸人さんは「江戸時代から現在に至るまで、米作りに欠かせない水源として、また、台風の時期など大雨が降った際には堰として水害から町内を守ってくれている。幼少の頃はここでよく泳いで遊んだ。故郷をきれいな状態で保存したいという気持ちがある」と話す。
 南側のほとりに高い杉の木が1本あり、その裏手には弁天様が祀られている。ちょうど木陰になっており、暑い日の労働を癒す場所となっている。「次世代の人たちが引き継いでくれるまで、今のメンバーで頑張っていきます」と吉井さんは笑顔を見せる。春には、ヤエザクラやソメイヨシノなど130本以上の桜が周囲を彩る華やかな鞘戸池が見られるそうだ。

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