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移住者に優しい町づくり サトウキビで地域興し
- 2017/1/13
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7年前、いすみ市に移住してきた人のサポートや、地元住民と移住者の交流を目的として発足した『おもてなしの会』(峰島六郎会長)。会員は47名で、地元の特産品の開発や普及を目指し、その一端としてサトウキビを栽培して5年が経つ。
サトウキビは花が咲かず自力では繁殖しないので、霜の降りる頃に収穫したサトウキビを越冬させ、春に畑に植えなければならない。「沖縄から苗を取り寄せ、試行錯誤で栽培を始めましたが、最初はうまく春まで保存させることが出来ませんでした。今は畑に溝を掘り、籾殻を敷き詰めた中に切ったサトウキビを置き、その上に土をかぶせるやり方で越冬させることができました」と会員の河本さん。
いすみ市内に2カ所の畑がある。肥料は馬糞。市内の乗馬クラブなどに馬の大好物のサトウキビの葉を餌として提供し、馬糞を貰ってくる。夏は雑草取りと水やりが必要だが、その他はあまり手がかかる植物ではないようだ。サトウキビの葉を掻き取る特別な鎌は沖縄県うるま市から取り寄せた。またジュースを搾るための小型の機械はフィリピン製で、国内に2台しかないという。その搾り器を持参し、大原港で毎週日曜日に開催している朝市の第1・3日曜に100%サトウキビジュースや、それを2時間半ほど煮詰めた糖蜜を販売している。
収穫祭が昨年12月の中旬、畑で行われた。搾りたてのジュースや糖蜜、糖蜜を使ったゼリーなどが販売され、無料のサトウキビも用意された。「サトウキビは暖かい場所でしか育たないと思っていたので、いすみ市で収穫できるなんてびっくりです」と参加者。中には所有する休耕田にサトウキビを植えたいと、熱心に栽培方法を尋ねる人もいた。
将来は糖蜜を使った酒を造るのが目標。また会の運営をボランティアに頼るのではなく、収支が合う活動にしたいと考えている。
問合せ 河本義彦さん
TEL 0470・80・3131