生きとし生けるものすべてに感謝を

 9月17日(日)、大網白里市にある日蓮宗智弘院で開催された『放生祭』。住職の百井誠栄さんは、「放生祭は年に一度恵みの秋に行う、あらゆる食材に感謝するお祭りです。すべての生命の犠牲の上に、私達の命が繋がっています。生き物の霊を慰め供養するとともに、命を生業にする漁業、畜産、飲食店などの商売繁盛や病気平癒、身体健全を祈願します」と説明する。
 江戸時代には、捕えられた鳥や亀、魚などを買い集めてから逃がすという儀式が各地の神社仏閣で行われていた。またさらに遡ること西暦677年、天武天皇時代にはすでに放生が祭られ、聖武天皇の頃には『放生により病を逃れ寿命を延ばす』との意義が明確にされたという古い歴史がある。 
 現在、世界中で『感謝祭』や『謝肉祭』、『カーニバル』が催されているが、それも放生祭と同様に生き物の命に感謝するものである。当日は、台風の影響による強い風雨の中、5人の参拝者が訪れた。読経後、予定していた川でのドジョウの放流は見送られたものの、本堂前で鳩を放つことに。参加した女児は初めて掴んだ鳩に、「ちょっと怖かった」と話しながらも笑顔を見せ、大きく羽ばたいていく鳩を、「あそこで何羽も旋回しているよ!」と眺めていた。「放生会というものを知って、少しでも食べ物を無駄に廃棄する現状がなくなっていけばいいと願います」と、百井住職は話した。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  今やサーファーの聖地となった長生郡一宮町には、上総国一ノ宮の『玉前神社』(たまさきじんじゃ)が長い歴史と共に鎮座する。ご祭神は神武天皇の…
  2. ◆一席 若者の人生曲げる闇バイト 大網白里市 渡辺光恵 ・世渡りは適度に自説曲げ伸ばす 東金市 伴里美 …
  3. 【写真】スパリゾートハワイアンズ・ウォーターパーク ●千葉県立美術館開館50周年記念特別展「浅井忠、あちこちに行く~むすばれる人、つながる時…
  4. 【写真】五井小の歴史をたどるスライドショーの冒頭、紹介する子どもたち  昨年と今年は、創立150周年を迎える小学校が多数ある。1872年の…
  5.  冬の使者と呼ばれるハクチョウ。シベリアなどから北海道を経由し、冬鳥として日本へ広く渡って来る。近年、地球温暖化の影響で、繁殖期と越冬期が暖…
  6. 【写真】坂下忠弘  来春3月2日(日)、市原市市民会館・小ホールで開催される『いちはら春の祭典コンサート2025』。市原市…
  7. 【写真】千葉県立中央博物館・御巫さん  11月24日(日)まで、千葉県立中央博物館で開催されている『二口善雄 植物画展』。…
  8. 【写真】川口千里(左)、エリック・ミヤシロ  日本を代表するトランペット奏者、エリック・ミヤシロを迎え、いま最も注目を集め…
  9. 【写真】うたと語り「今、この町でこの歌を」  毎年、夏に開催される『市原平和フェスティバル』。平和への祈りとメッセージが込…
  10.  今回は「映画音楽」特集の第1回。良い映画では必ず、音楽・主題歌が感動を与えてくれます。テレビCMでも使われる名曲もあり、何処かで聞いたこと…

ピックアップ記事

  1.  今やサーファーの聖地となった長生郡一宮町には、上総国一ノ宮の『玉前神社』(たまさきじんじゃ)が長い歴史と共に鎮座する。ご祭神は神武天皇の…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る