140年の歴史に幕 ありがとう平三小学校 そしてさようなら

 3月19日(土)、市原市立平三小学校は140年の歴史に幕を閉じた。当日閉校式に訪れたのは市職員関係者をはじめ、中学生から80代に至るまで幅広い年齢層の卒業生、児童7名、保護者達。体育館が埋まっていくにつれて、あちこちで再会を楽しむ声も聞こえる中、閉校式は始まった。
 第一部の式典の中で、現26代校長の福山文夫さんは「2年前に閉校が決まった日からこの時が来るのは分かっていましたが、とても寂しいです。少人数でも色んなことに挑戦して、物怖じしない子ども達を育てようと、地域を含めた独自の平三教育がかねてより行われてきました。閉校は悲しいことではありません。新たなスタートとして頑張りましょう」と話しながらも、声を詰まらせた。
 他、スライドで平三小学校の歴史を振り返ったり、在校児童による一番思い出に残っていることが写真とともに語られる。昭和33年児童数のピークで全校が370名を迎えた後に徐々に減少し、数年前からは違う学年と授業を共にする複式学級が開始されていた。だが、地域の運動会や潮干狩り、イチゴ狩りに鎌倉への修学旅行。たとえ人数は少なくても、一人一人の記憶の中にある平三小学校はとても色鮮やかに映っているのだろう。最後に校歌で締めくくられた式は、味わい深いものだった。
 第二部の記念碑除幕式が行われる頃には、人々の心を写すように朝は小雨だった天気も徐々に土砂降りに変わっていた。第三部はお別れ会。児童らが各々体育館中に響く大きな声で挨拶をした後、『ふるさと』を含む数曲の合唱発表。4月から統合する鶴舞小学校の児童の内15名が加わった時には、歌声が2倍以上の大きさに変わった。今後、通学にはタクシーを利用することが決まっており、家からの距離の長さやその他の新スタートに向けて「やっぱり、少し心配な部分もあります」と控えめな声を漏らす保護者もいる。環境の変化に慣れるのは大人でも苦労を要することは多い。だが、歌声が大きくなったことで笑顔になる児童もいるように、子どもたちは一様に「友達が増えるんだ。楽しみ!」と声を上げる。
 今まで過ごした教室、校庭、保健室。授業に定期的に取り入れるのは珍しかっただろう陶芸、平山窯。体育館の随所に飾られる年表や児童の作品を鑑賞しながら、来場者は自分たちがどう小学校で過ごしたか、校長や担任は誰だったかと話に花を咲かせる。昼過ぎ、ようやく晴れ間が見え始めた。「これからこの地域がどうなるのか。子どもたちはどうなるのか、考えると不安は多いです。でも、今日の天気のように雨降って地固まる。そんな未来を願いたいですね」と来場者は話した。

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