明治、大正時代の布を美しく現代に蘇らせる 古布を愛してパッチワークキルト

 「明治、大正の人は物を大切にしました。新潟にある実家の蔵には母が七五三の時に着た大正時代のちりめんの着物も。染めや柄など、先人が残してくれた物はお金に換えられない素晴らしい物。それを蘇らせ今を生きる人に何かを感じてもらい喜んでもらいたいです」
 東金市の内藤哲子さん(82)は、自らのパッチワーク作品に囲まれながら、そう語る。大小の見事なタペストリーの中にはボーダーに祖父の布を用いたものも。布選びから接着芯張り、構図を考え繋げるという手間のかかるタペストリーの合間に、小物づくりにも精力的に取り組んできた。
 内藤さんが古布パッチワークキルトに魅せられたのは20年以上前。千葉市のパッチワーク教室での「素晴らしい師との出会い」からだ。以来、「やりたかったことに出会えたと生きがいを見つけた思い」で、8年間夢中で学んだ。
 「教室では明治・大正・昭和・平成とそれぞれの古布に触れる機会があり、各時代の布の美しさ、奥の深さに感動しました。様々な時代の布を組み合わせ、心を込めた一針一針によって世界にひとつしかない作品を作る喜びは格別なものです」
 もともと専業主婦だった内藤さん。子育てが終わったら老人ホームでボランティアをしたいとずっと考えていたという。「手作業をして一日を過ごしたら楽しいだろうし、それにはパッチワークは最適だと思ったんです。でも、施設では針やハサミを使えないんですね。誤算でした」。
 代わりに、興味のある方を自宅に招いて、小物づくりの指導を続けてきた。ボロ市等で調達した材料も含め無償。「好きな人が集まって、喜んでいただければそれが幸せ。その時間が一番楽しい」
 子どもたち、孫たちが海外に行く際のおみやげにしたり、逆に外国人の客にプレゼントして好評。「だから、小物は失敗作しか残ってないんですよ」と笑う。4~5センチ程の布でも小物はできる。「自分の思い出の布、大切な人の着ていた布を思い出として残すことは素敵。そして、布の温かみは人を癒します」
 内藤さんは「手作りや倹約の精神を体現した」パッチワークがこれからも愛されることを願っている。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  一宮川流域では過去30年で4回の浸水被害に見舞われている。中でも令和元年10月の豪雨は未曽有の被害をもたらした。この災害を受けて県は昨年度…
  2.  現在ブームが続いているキャンプ。アウトドアで密にならないこともあり、キャンプ場だけでなく、自宅の庭などで楽しむ手軽なタイプも人気だ。ただ、…
  3.  千葉市緑区のホキ美術館では11月7日(日)まで、『STORIES─永遠の人物画展』を開催中。写実絵画を専門とする同館で最も所蔵が多い人物画…
  4. 木々に囲まれた家で暮らしたい、理想の庭を作りたい、そんな思いで長い間ずっと温めてきた自身の夢、『森の中の家』に住まいを移してから今年の9…
  5.  市原市在住、須田和人さんのスポーツ指導者としての実績が素晴らしい。市内の高校陸上競技部顧問として15年連続、計62種目、延べ128名をイン…
  6.  長柄ダム湖畔の高台に建つロングウッドステーション。隣の大きな駐車場の一角には、昨年オープンした『太陽ファーム加工場』と、今年オープンした『…
  7.  皆さんはアリにキノコが生えるのをご存じですか? この写真はムネアカオオアリに寄生しているマルミアリタケです。森の中の朽木からミニチュアのミ…
  8. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  一宮川流域では過去30年で4回の浸水被害に見舞われている。中でも令和元年10月の豪雨は未曽有の被害をもたらした。この災害を受けて県は昨年度…

おすすめ商品

  1. SG-507 ユネスコ世界遺産 フィルム 名入れカレンダー

    世界の自然や遺跡を厳選 – 豪華版・ユネスコ世界遺産シリーズ 1-2月/マチュ・ピチュの歴史保護区…
  2. TD-288 卓上L・大吉招福ごよみ・金運 名入れカレンダー

    金運の黄色と金箔「金運上昇八卦鏡」のW効果!驚異の金運力!金運上昇八卦鏡。 風水で八卦鏡とは、邪悪…
  3. SG-951 卓上 デスクスタンド文字(SB-324)名入れカレンダー

    【人気商品】卓上名入れカレンダーの超ヒット商品! 高級感が漂うシンプルデザイン。重量感のある厚紙を…
  4. SB-103 金澤翔子作品集 名入れカレンダー

    気鋭の書家、金澤翔子さんによる書下ろし作品集。 先天性の障がいを持って生まれた少女が書と出会い、才…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る