ふるさとビジター館 いちはら自然探訪 ~マルミアリタケ~

 皆さんはアリにキノコが生えるのをご存じですか? この写真はムネアカオオアリに寄生しているマルミアリタケです。森の中の朽木からミニチュアのミカンのような頭部だけを出しているのをたまに見かけます。
 新女王アリは5月~6月ごろにオスと結婚飛行をします(円内)。交尾を終えると地上に降りて翅を落とし、朽木の中に潜って巣を作ります。この時期はちょうどマルミアリタケの胞子が出る時期、朽木を求めて地上を歩き回る女王に、キノコは胞子を飛ばし感染させて取りつくのです。やがて女王アリは体の中がだんだんと菌糸に侵されて命を落とします。そして翌年にその体を突き破って長い柄が伸び、地上に出た頭部から胞子を放出するのです。
 マルミアリタケを掘り出してみると、朽木の中は小さな空洞になっていますが巣ではありません。つまり女王アリは働きアリを産む前に絶命しているようです。一番栄養のある状態のものを獲物にするマルミアリタケの賢さにも驚きです。一方この女王アリは健全であれば10~20年生きるとか。その間は一度の交尾で得た精子を使い続けるというのですから、これもまた自然の不思議としか言いようがありませんね。
(ナチュラリストネット/加藤恵美子)

■ナチュラリストネット
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