仲間と一緒に、市原南部を盛り上げたい! ~地域を元気にするデザイナー 高橋洋介さん~【市原市】

 関東で最も遅く11月下旬から12月にかけて見頃が訪れる紅葉の名所、養老渓谷。関東近県などから訪れる人に好評なのが、里山トロッコが走り、最寄り駅のある小湊鉄道だ。停車駅の1つ、上総牛久駅には『#牛久にカフェを作りたいんだ』という発起人たちの思いが、そのまま店名になったコーヒースタンドがある(弊紙2020年9月26日号に関連記事)。発起人の一人、高橋洋介さん(32)は初代市原市地域おこし協力隊(現在は任期満了)として、他にも様々な活動に取り組んできた。そんな高橋さんに話を聞いた。

市原市に戻った理由

高橋洋介さん

 市原市西広出身の高橋さんは、子どもの頃、昆虫採集が好きで捕まえた蝶々や虫の絵をよく描いていたという。高校で工作や絵画に興味を持ち、都内へ移住して美術大学へ進み、卒業後はデザインやものづくりの仕事に関わりたいと、グラフィックデザイナーとして働いた。
「パンフレットやポスター、ロゴなどのデザインの仕事をしながら、時折、市原の実家に帰省して、菜の花の種まきボランティアに参加することもありました。そうこうするうち、どこかで市原へユーターンして、自分の得た技術を故郷に還元したいと思うようになったんです。そこへちょうど偶然、市原市地域おこし協力隊のことをインターネットで知り、ちょうどいい!と思って応募しました」と高橋さん。
 地域おこし協力隊とは、地域活性化や若者たちの定住促進を目的に活動を行う各自治体の取り組みで、市原市では平成29年2月、高橋さんが第1号として指名された。

進めてきたプロジェクトの一例

高橋さん(左)と『#牛久にカフェを作りたいんだ』を始めたメンバー

 約10年ぶりに市原に戻った高橋さんは市の南部に移住し、小湊鐵道沿線にある石神の菜の花畑の風景を守りたいと活動を始めた。整備活動に加わる一方、菜の花の種から菜種油『ハルイチバン』をつくり、自身が紙面をデザインした冊子『ヨムハルイチバン』と合わせて、クラウドファンディングの支援者などへ提供した。
 一方、コーヒー片手に牛久の街へ繰り出し、商店街を訪ね歩いてほしい、鉄道の旅のお供にしてほしいという地域活性化の願いを込めて、曽根拓也さん、曽根晴さんと3人で牛久駅にテイクアウト専門のコーヒースタンドを開店させた。仲間と一緒に、『#牛久にカフェを作りたいんだ』の店舗づくりに励む姿を見て、地域住民も手伝ってくれたそうだ。

五井朝市と開宅舎

 地域おこし協力隊の3年の任期が満了した現在も、さらなる活動を続けている高橋さん。時には市原北部での活動も。JR五井駅西口で毎月1回、第3日曜日の朝に開催される五井朝市(弊紙10月30日号市原長生夷隅版に関連記事)に、実行委員の1人として参加している。さらに高橋さんが今、力を入れているもう一つのプロジェクト『開宅舎』は、市原市南部・加茂地区の空き家と移住希望者をマッチングさせる取り組み。対象地区の空き家状況を調査し、所有者から借り受け、片付けや修繕を行い居住者へ提供する活動を、小深山徹さん、原麻里子さんと共に行っている。小深山さんは高橋さんについて「ぼくが大学を卒業してすぐ、まだ開宅舎という名前すら決まっていない立ち上げの段階に、一緒に加茂地区の空き家のプロジェクトをやらないかと髙橋さんに声をかけてもらいました。髙橋さんが南市原に移住して地域課題に取り組み続けたおかげで、今の南市原に若い人が集まってきたのだと思います」と話す。
 原さんは「高橋くんは、『何が本当に必要なのか』本質を見極めて0から1を作り出す力があります。一方でゆったりとした一面もあり、地元の人からは『しょうがねぇなぁ』と助けてもらったり。そんなセンスとまわりを引き寄せる人間味がうまく合わさって、地域での活動にいきていると感じています。今後は移住者の方や地元の方、地域でまだ光があたっていないものをつなぎ、何か面白いものが生まれていく。そんな循環を開宅舎としてつくりたいです」とのこと。

開宅舎の広報紙『月刊開宅』

 現在、加茂地区には150軒の空き家があるという。毎月、月替わりで1つの共通テーマを、移住者、先住者、場所の三つの角度から特集する広報誌『月刊開宅』も発行。「新しい人が入って、地域の人が喜んでくれるのが僕は一番嬉しいです。いつも修繕などを手伝ってくれる地元の方がいるのですが、その人の息子さんが市原に来てくれることになったんです。まだ東京と2拠点のままで完全居住ではないですが、そんなことが起きて、僕らは、それがめちゃくちゃ嬉しくて…」と笑顔で話す高橋さん。市原市南部の活性化のために共に活動し続ける高橋さんと仲間の、今後の活躍が期待される。

問合せ:開宅舎
Tel.050・6862・9076

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