不幸なノラネコゼロをめざし、よりよい地域のために いちはら地域ネコの会

 いちはら地域ネコの会は、不幸なノラネコがいない地域社会を目指すことを目的に、平成24年に設立されたボランティア団体。地域ネコとは地域の理解と協力を得て、地域住民の認知と合意が得られている、特定の飼い主がいない猫のこと。適切に管理し数を増やさず一代限りの生を全うさせる猫を指す。同会ではノラネコを捕獲後、SNSや広報紙で飼い主を探してから不妊去勢手術。その後、地域に戻したり里親に繋げたり市原市を中心に熱心な活動を続けている。地域ネコ活動を続ける胸中を代表の田原道生さん、事務局長の河村豊美さんに聞いた。

会名変更が示す活動の広がり

 田原さんは「幼い頃から動物が大好きでした。けがを直してやった鳩に懐かれたことがあって、生き物と心を通わせる瞬間に喜びを感じていました」と話す。今も動物好きは変わらない。だからこそ、ネコをめぐる近所同士のトラブルに心を痛めていた。
 そんな折、田原さんが会長を務めていた国分寺台街づくり協議会(同地区の8町会会長が運営)に、糞尿被害・餌やり・野良猫の増加問題を取り上げてほしいと地域住民から要望が寄せられた。これをきっかけにノラネコの実態アンケート調査を実施。「結果は、約70%が地域ネコ活動への期待者でした。ニーズに応えるため、まずは市原市NPO・ボランティア支援室(当時)の助成を受け『国分寺台地区ネコの飼育ガイドライン』(A4判16頁)を平成23年に発行しました。地域の全世帯に配布し、読後アンケートで約75%から『協力したい。成功してほしい』と応援をいただきました」と田原さん。
 この結果を受けて平成24年、それまでの国分寺台街づくり協議会から『国分寺台地区ネコの飼育ガイドライン推進協議会』として分離独立。ガイドラインの啓蒙活動およびノラネコの不妊去勢手術を開始した。平成28年には、地域ネコ活動をさらに推進するため、名称を『国分寺台・地域ネコの会』に変更。さらに令和2年、国分寺台地区以外の会員が増え(地区内27町会40名、地区外37名)、それとともに活動の対象地域が広がってきたことから、現在の『いちはら地域ネコの会』を、会の名称とした。

これまでの実績里親に繋げた命

いちはら地域ネコの会ニュース


 構想・準備の段階から地域の声を反映させながら活動を進めてきたいちはら地域ネコの会だが、現在では正会員82名、賛助会員25名、団体会員1団体が所属。毎月第2土曜日に定例会を開催して各地区のノラネコ情報を集め、同会の主な活動であるTNR活動に取り組んでいる。TNR活動とは、ノラネコを捕獲(Trap)し、不妊去勢手術(Neuter)をし、元の場所に戻す(Return)活動をいう。これにより令和3年度は不妊去勢手術304頭の実績。昨年暮れには、発足以来の不妊去勢手術頭数は1000頭を超えた。手術済みのネコについては耳の一部を小さくカットし固体別にしっかりデータ管理している。
 一方、広報紙『いちはら地域ネコの会ニュース』を定期刊行し、子ネコ救済のため里親探しにも力を入れている。令和3年度には里親成立110頭という成果をあげた。河村さんは「手術対象のネコに飼い主がいないか、写真を広報紙に掲載したり、ネット上で公開して確認をとりながら進めています。捕獲したネコたちは手術までの期間と手術後、自宅で保護しています。同時期にまとめて19匹の世話をしたこともあります。餌と水を与え静養させますが、その中には乳呑み児のネコも含まれ、私自身、寝る暇もありませんでした。正直言って大変でしたが、そんなふうにして育てた子たちを無事に里親に繋げられ、命を繋ぐことができたことに心から喜びを感じています」とのこと。発見時に骨折などの酷いけがや、眼球が飛び出すほどの病気で衰弱していたネコもいたそうだ。今までに捕獲したネコたちの写真を、自身のスマートフォンに大切に保存している。広報紙に紹介された、ゆったりとくつろぐネコの写真。里親から送られてきたそうだ。その写真を嬉しそうに眺めながら「里親が見つかれば大変うれしいことですが、何よりも、不幸なノラネコを増やさないことが私たちの会の目的です。餌をやることよりも避妊手術を受けさせてやることが大切なのだと伝えたいです」と訴えた。

地域ネコ活動でよりよい地域づくり

「昨年9月、市議会の定例会で、地域ネコ活動に対する市の広報活動支援や助成金増額が提言されました。行政、地域住民、ボランティアの三者による取組みが提言され心強いです」と話す田原さんと河村さん。10月には初めての保護ネコのお見合い会(譲渡会)を開催。東京都や他県などからも来訪があり多数の里親への譲渡が成立した。「これらの動きの詳細は広報紙に掲載しています。新たな会員も増え、更に頑張って行こうと決意しています」と意欲的な同会。会の活動に参加したい方、興味・関心のある方、餌や手術代などの寄付を検討している方、ノラネコに関する情報をお持ちの方、里親になりたい方、会の定例会を見学したい方など、問合せはいちはら地域ネコの会まで。

 

問合せ:いちはら地域ネコの会HP問合せフォーム、または田原さんへ
Tel.0436・23・1739

 

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  1月8日(土)、千葉市中央区にある青葉の森公園芸術文化ホールにて公益財団法人千葉県文化振興財団主催で「見る、知る、伝える千葉 創作狂言 里…
  2.  いちはら地域ネコの会は、不幸なノラネコがいない地域社会を目指すことを目的に、平成24年に設立されたボランティア団体。地域ネコとは地域の理解…
  3.  いつも通る雑木林の奥に、輝いているかのように際立つ赤褐色の木を見つけた。マツ科マツ属の常緑高木、アカマツ(赤松)であった。  大きなもの…
  4.  昨年11月21日(日)、千葉市中央区にある青葉の森公園芸術文化ホールにて開催された『もんきりワークショップ』。午前と午後の2回行われたワー…
  5.  社交ダンスに限らず、特に魅せるスポーツにおいては選手の「表情」が大きな意味をもっていますが、このコロナ禍において、すでに2年近くの間、表情…
  6.  昨年10月19日、山武市の松尾IT保健福祉センターにて、山武市保健推進員協議会主催の『知ってる?パッククッキング~災害時常備食クッキング~…
  7.  明けましてておめでとうございます。草花や野菜と共に生活をしていると、四季の移り変わりもよりあっという間のような感じがします。昨年は園芸だけ…
  8.  市原市は東京湾に面していても、残念ながら海で楽しめる場所がほとんど無い。唯一楽しめる場所は養老川河口で、海釣り公園があり、数多くの子供から…
  9. 「晴れたら市原、行こう。」をコンセプトに、2014 年からトリエンナーレ形式で開催されてきた「いちはらアート×ミックス…
  10. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  1月8日(土)、千葉市中央区にある青葉の森公園芸術文化ホールにて公益財団法人千葉県文化振興財団主催で「見る、知る、伝える千葉 創作狂言 里…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る