全国大会出場に挑む

全国大会出場に挑む

「おいっ」、「おーいっ」気合いの入った掛け声が響く柔道場。市立辰巳台中学校で3月現在1、2年生合わせて12名の柔道部員を率いるキャプテンは2年生の福澤樹くん(14)。177cm、120kgの大きな身体は貫禄たっぷりだ。昨年11月の千葉県中学校新人体育大会90kg超級で見事に優勝を果たした。市の総合体育大会では中1の時から優勝を経験しているが、県大会では初めて。「すごくうれしかった」と振り返る。
 父親が学生の頃に柔道をやっていた影響で、小1の時に地元の道場を訪れ「おもしろそう」と思ったのが柔道を始めたきっかけ。小1で体重が50kgあったという福澤くん。やせたくなかったから、食べながら運動することを選択した。体重をキープすることは全く考えていない。自然体の自分をうまく生かすことは自分を信じることにもつながる。
 現在も週4日は部活動後や土日に道場へ通っている。また、県強化指定選手にも選ばれており、茨城県や埼玉県へ遠征することも。「色々な場でよく努力しています。柔らかい性格で威張ったりしない。厳しくする時と緩める時をうまく使い分け、しっかりみんなをまとめてくれている」と柔道部顧問の塚原教諭。キャプテンという立場で一番大変なのは部員同士でけんかが始まったとき。「責任は自分にある」という意識の元、注意をする。「みんながついてきてくれたときはうれしい」と福澤くん。 
 小学校時代は4年生から相撲部に所属。相撲は土俵に手がついたら終わりだが、柔道は抑え込まれてもはねのけることができれば風向きは変わる。「一発で負けが決まってしまう相撲より、あきらめなければ勝てる柔道が好き」
 試合前でも緊張しない。「相手を倒すにはどうしたらよいか」だけを考える。今までは内側から足をかける内股で投げ、抑え込んで勝敗を制してきたが、外側から足をかけて倒す大外刈に挑戦してみたいと話す。前向きで強靭な福澤くんだが、挫折を味わったこともある。小学校6年生の最後の県大会で試合中に膝を怪我をして負けてしまった。膝に水がたまり、1カ月間柔道の稽古を休むことに。周りが練習を積み重ねている中、早く復帰したいという焦りが募ったそう。
 食事で気をつけていることは、とにかく米をたくさん食べること。生姜焼きなどのおかずでご飯を食べるのが大好きだとか。夕食には2合もの米をたいらげ、風呂上がりには500ccの牛乳を飲む。多くは語らない福澤くんだが、食事作りに稽古の送り迎え、他の選手の動きを見て研究し、時折アドバイスもくれるという母親には大いに感謝しているようだ。  
 優勝を果たした昨年の県大会では、前回のチャンピオンが怪我のために不出場だった。今夏の県大会で前回のチャンピオンに勝ち、全国大会へ進むことが目標だ。

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