地域に育まれた巨樹・古木の魅力を知ろう!

地域に育まれた巨樹・古木の魅力を知ろう!

 5月7日(火)、『巨樹・古木巡り(全2回)』(五井公民館主催事業)が開催され、30名が受講した。市原市の巨樹・古木を知ることで自然保護への関心を深めてもらおうと1回目は事前学習、2回目はバス研修で5月14日に開催される。
 まずは講師の樹木医鈴木輝征さんが、全国の中から選んだ巨樹・古木の写真をスクリーンに写し、特徴などを語り始めた。巨樹(巨木)とは、地上から130センチの位置での幹周が300センチ以上の樹木(胸高直径約96センチから100センチ)のことを言い、巨樹が複数生育している集団(樹林・並木)のことを巨木林という。特質は巨大さ、神秘性、歴史と風土の象徴などが挙げられ、存在した背景には永く人目に触れなかった、信仰の対象として守られた、異様な形だったので残されたなどと言われている。
また、国指定天然記念物の樹木のうち上位4位がスギ、イチョウ、クスノキ、ケヤキとなっており、千葉県では、市川市葛飾八幡宮の『千本イチョウ』、クスノキでは別名「なんじゃもんじゃの木」とも呼ばれる香取郡神崎町の『神崎の大クス』が紹介された。
 続いては、市原市の巨樹・古木。市原市の里見にある樹齢約100年のオオシマザクラが映し出された。日本の桜の在来種は、山桜、オオシマザクラ等があり、花梗(花のつく茎)の写真等を見ながら桜を観察するポイントも学んだ。飯香岡八幡宮内にある夫婦銀杏(県指定天然記念物)は、中国の原産で御神木として崇められており、市原市民の森の入り口にあるプラタナス(スズカケノキ科)は市原市で最大と言われている。荻作にある満光院にはイチョウやカヤなど80種を超す樹木がみられる。巨樹・古木は社寺に多く、地域によっては人が少なく雰囲気が暗い場所にあるという。
 近年、日本産のマツがマツクイムシで枯死してゆく中、抵抗性のあるテーダマツ(アメリカ原産)は生き残る。「名松が消えていく中、樹木医の努力で残された例もあります」と鈴木さん。現在の巨樹・古木があるのは、年月を超えて大切に守ってきた地域の人々の思いもある。観察する際は、根際の踏み固めに注意するなどのアドバイスを受けた。受講生は「市原市には知らない巨樹・古木があり、散策のしがいがあります」、「知らなかった巨木がたくさんあり驚くばかり。今度の散策が楽しみです」と話した。
 バス研修コースは、五井公民館から出発し、上総国分寺跡、上下諏訪神社、笠森観音、高滝ダム湖畔、農業センターと周り、公民館で解散となる。
鈴木さんは「実際見て感じてもらうことが大事。1度見るだけでなく、四季折々の樹木の良さを楽しんで欲しい」と語った。

問合せ 五井公民館・熊谷さん
TEL 0436・22・2121 

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】2024年4月『みんなとうたコンサート』にて 『南総ラ・ムジカ』は、オペラを愛する市民合唱団。睦沢町中央公民館で…
  2.  9月の森の中を歩いていると、遠目にも鮮やかな朱赤のキノコがありました。近づいてみると地面に白い卵のような壺、黄色いだんだら模様の柄、傘の裏…
  3. 【写真】つなぐ市にて、スタッフやボランティア、出店者の皆さん  ユニークなネーミングの『ほぼ道の駅ちょうなんプロジェクト』…
  4.  市原市根田にある浄土真宗本願寺派西光寺では、毎月『みんなの寺カフェ』が開催されている。副住職の吉弘一秀さんはこの活動について、「毎月様々な…
  5. 【写真】 小出市長と南雲氏の対談  市原市は、2026年からの新たな総合計画を策定するため、市民との対話をスタートしました…
  6. 【写真】撮影:影山惠子  来月9月23日から、ちはら台フォトクラブの創立10周年記念写真展が開催されます。同クラブは月1回…
  7.  動物たちを飼うには、彼らが生涯、安心して暮らせる環境が求められています。捨てられて保健所に捕獲されたり、個人の多頭飼育崩壊などで持ち込まれ…
  8.  国道297号線(大多喜街道)を牛久から大多喜方面に下って行き、米原ゴルフ倶楽部の先の右側の小高い丘の上、田圃にかかしが居ます。周りにロープ…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】つなぐ市にて、スタッフやボランティア、出店者の皆さん  ユニークなネーミングの『ほぼ道の駅ちょうなんプロジェクト』…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る