農家イキイキ 家族経営協定

農家イキイキ 家族経営協定

 千葉県は男女のよりよいパートナーシップの確立を進めるため平成19年度から『千葉県農山漁村いきいきアドバイザー』を認定している。農林水産業に従事し、地域の活性化や男女共同参画推進活動に積極的に取り組み、周囲の信望が厚いことなどが条件。同産業に関する起業や直売、食育、若手育成支援、関係組織の男女共同参画、技術や文化の伝承などを地域に働きかけ自主的に活動する人だ。市原市では伊場美津子さん(69)(左)が平成20年に、苅米静代さん(65)(右)が平成21年に認定された。
 農業を営むお二人がアドバイザーとして周囲に勧め、自ら結ぶのが『家族経営協定』である。経営方針、仕事や家事の分担、給与、休日などを家族が対等な立場で話し合う約束事。「紙一枚だけれど夫と話し合う時間が増えた。協定は個々に収入があるのが特徴。作物の収量を増やしたり、新しい事業を考えたり創意工夫しやすい」と話すのは永吉に住む伊場さん。農産物直売所を運営したり、農業の女性起業家グループなどの責任者を務めてきた。県のセミナーや海外研修で学んだことを所属生活研究団体で広め、料理教室や講演会も開いている。普段から農作業のほかに収穫物や手作り惣菜をJAの小売店に納め多忙だが、仕事を夫と役割分担して生き生きと働く。自分は加工品、花の栽培、野菜の収穫や出荷など、夫は野菜の栽培をする。お互いに忙しい時期は手伝い、相手にパート代を支払う取り決め。「義母を介護したときも直売所は閉じたが、夫と相談し、仕事、介護、家事を手分けした」そうだ。
 平成12年から協定を結ぶ苅米さんは「妻や子の立場でも設備投資できるし、学校を卒業し、新規就農する若者もお小遣いではなくお給料制だと責任感とやる気が出る」と話す。海保でミカンの観光農園『房総十字園』を営み、農産物加工場を持つモデル農家として国内外から視察団を受け入れてきた。伊場さん同様に団体役員を引き受けたり、研修を受けたりと忙しいが、「家族がそれぞれの個性やアイデアを生かせる」と表情は明るい。苅米さんは野菜の栽培と加工品作り、夫は果樹園、長男は水稲を受け持つ。3人の子どもを育て、ジャムやお菓子作りを担う長男の妻、真弓さんは「自分が作ったものが売れると嬉しい。直売所に配達する母が売れ筋を教えてくれる」と楽しそう。同園は平成17年に法人化し、家族全員役員となった。
 同協定はアドバイザーと千葉県千葉農業事務所や関係機関が個々の農家にあったルール作りを手伝い、同事務所などが立会人となる。後継者が就農や結婚するとき、親から子へ経営を移譲するときなどに結ぶとよく、結び直しも可能だ。また、一人ひとりが経営主と連名で『認定農業者』に申請できるというメリットもある。農業経営改善に取り組む人を育成する制度で公的なサポートが受けられる。「夢のある農業を営むお手伝いをしたい」という伊場さん。取材日は自家製味噌を積んだ軽トラックで駆けつけ、農作業の繁忙期にもかかわらず、体験型交流起業活動について苅米さんと意見を交わしていた。 

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  時は江戸時代、夏の夜の牛久・八坂神社。ピーヒャラドンドコ祭囃子の音、行き交う若衆の活力みなぎる声、浴衣姿の祭り好きな人たちで、参道はさ…
  2. フォレストアドベンチャー・千葉 冒険の森のアクティビティ!  千葉市若葉区・泉自然公園内にある、フランス発の森林冒険施設。自然の立木の…
  3.  山武市のさんぶの森中央会館音楽室は、壁一面の窓から望む森の緑が美しい。この音楽室を拠点に、毎月第2・第4日曜日にコカリナの練習を行って…
  4.  市原警察署のロビーには現在、カラフルな掲示板と七夕の笹飾りが登場、来署した人たちの目を引いている。掲示されているのは市民から公募した川…
  5.  「全然当たりません。どこがいけないですか?」「どうしたらもっと飛びますか?」と、自分から熱心に質問したり、ボールを入れた籠が空になるま…
  6.  今年の梅雨前線は活発化と停滞によって、南九州に集中豪雨をもたらした。一週間で1カ月分の雨量が降ってしまった場所もあるという。地盤が多量…
  7.  ふらりと入ってきた男性が、食い入るように海の生物たちの絵画を眺めて歩き、呟いた。「水族館に来たみたいだ」。田園の美術館(いすみ市郷土資料…
  8. ハンノキ  夏の眩しい陽光を浴びて輝き、風に揺れるハンノキの葉を見ていると、どことなく風情を感じます。市内では、長年放置された休耕田や湿…
  9.  長生郡長南町在住の田邉智和さんは、昨年10月に福井県で開催された第18回全国障害者スポーツ大会『福井しあわせ元気大会』の一般卓球部門に千…
  10.  市原市バスケットボール協会は昨年度、創立50周年を迎え、8月末グランドホテルにてご来賓の方々をはじめ役員、選手と多くの懐かしい顔ぶれに大…

ピックアップ記事

  1.  時は江戸時代、夏の夜の牛久・八坂神社。ピーヒャラドンドコ祭囃子の音、行き交う若衆の活力みなぎる声、浴衣姿の祭り好きな人たちで、参道はさ…

イベント情報まとめ

  1. ◆サークル 国際交流・市原市オリンピック準備委員会 月2回 姉崎地区(海外と交信あり) 外国人と定期的に交流したい、その準備のために英語…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る