子どもたちを見守り続ける

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 6月2日(日)、市原市民会館大会議室で『講演会 児童福祉に携わって40年』(市原市男女共同参画の会主催)が行われた。まずは、講師の『児童養護施設 平和園』元理事星鏡子さんから36年間勤めていた市原市にある『平和園』について話を始めた。
 児童養護施設とは複雑な事情で親と一緒に暮らせない、親の手元では育てられない子どもたちを保護し、児童指導員や保育士などが親代わりに生活全般を支える施設のことで、全国で約575カ所あり、入所数は全国で約3万人と言われている。
『平和園』は昭和16年開設した千葉県の民間施設では最も歴史ある児童養護施設であり、主に2歳から18歳までの男女30名が生活している。設立当時から施設とは言わずに「我が家」と呼んでいる。
 もし入所が決まった場合は、子どもの不安を少しでも取り除くように母親がわりとなる職員が枕カバーやバジャマ等を手作りし、他に好きなキャラクターのスリッパなどの日用品も用意して、新しい家族の一員として温かく迎える。入所日は児童相談所の担当者と相談し「今日から幸せになれるように」と大安、友引を選んでもらう。
 平和園の子育てとしては「会話を多くする」、「長所をひきだす」、「信じながら愛情を注ぐ」、「役割をもたせる」。特に注意していることは大人の視点で物事を考えるのではなく、子どもの意見を重視すること。叱るときも「なぜ注意されているのか?」をそれぞれの理解力にあわせて、具体的に繰り返しわかるように話す。また、職員がお手本になるよう自らが動く。努力する姿は子どもたちの心に響き、自分もがんばろうという気持ちになるからだ。
 衣食住の充実も子どもたちの成長には欠かせない。食事時には家庭的な雰囲気を大切にし、誕生日には希望メニューとケーキを用意し皆で祝ってあげる。当たり前のことを当たり前に行う。毎日健康で何事もなく過ごしてくれることがなによりの願いだ。「子どもには何の責任もない。複雑な問題を抱えた心のケアは、何十年とかかることもある。いつか心を開き、自分の気持ちを素直に話すことができるようになった時は、本当に嬉しい。更に、社会に出て立派に仕事をしている姿を見た時には涙が止まらなかった」と星さんは自らの体験を切々と語った。
 「では、1曲歌います」と思春期の子どもの心情を描いた曲『母を思う少女』を歌うと会場内からは、すすり泣きが聞こえた。休憩後は、平和園の手作りコンサートの模様をDVDで紹介し、質疑応答で終演した。星さんは「血の繋がりがなくても愛は愛。愛されているという実感がわくと人は変わる。人を愛せるようになる。日々積み重ねていく愛情がもっとも重要です」と語った。

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