季節のスケッチ

季節のスケッチ
俳画と文 松下佳紀

百日草を見るとなぜか懐かしい思いが胸をよぎる。いずれも遠い幼年期の記憶だ。ひとつは墓所に供えられた色あざやかな百日草。ひとつは車のまき上げる埃をかぶりながらも国道脇に咲く百日草の姿だ。子どもの頃は国道も砂利の所が多かった。もうひとつは農家の広い庭いっぱい、祭りのように咲き誇っていた情景を。そのどれもが強烈な夏の陽光の下に極彩色を輝かせていた。老年期に入った今の私の散歩道にも百日草は健在だ。家々の庭先に、畑の隅に、商店前の小さな花壇などに。最近は品種改良されて色も形も多様だ。百日草の名のとおり花の咲く期間が長い。時に、十一月になっても咲き残っているのを見ることがある。健気で頼もしい花だ。

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