古代の謎を秘めた市原地区の広報マン
- 2014/1/31
- 市原版
上総国府政庁の有力候補地である市原市市原。多くの埋蔵文化財が発掘を待ち、更級日記の作者にゆかりがあるという光善寺薬師堂や御手洗井戸、万葉集に登場する阿須波神社、飯香岡八幡宮の元宮で県無形民俗文化財の柳楯神事に欠かせない市原八幡神社などが点在する。
フォトジャーナリストで同地区に住む山越国臣さん(62)は歴史的、文化的に貴重な市原を広く知ってほしいと『市原里づくりの会』を平成21年に設立し奔走している。地域活動などを支援する基金を活用し、柳楯神事のポスターや同地区史跡リーフレットを作り、歴史ある市原のイメージイラストを地元出身高校生に描いてもらい宣伝。初詣客のため大晦日に光善寺薬師堂に明かりをともす光の回廊を発案したのも山越さんだ。公民館などで講演を行い、請われれば史跡を案内してきた。
元新聞記者の山越さんは現役時代にたびたび発掘記事を書いた。今では自ら遺物を採集し鑑定を受けたり、寺社の位置から国庁所在地の仮説をたてたりする。地元住民を里人と呼び、「市原の人たちが郷土を誇りに思い、行動を起こす礎になりたい。市内には整備すれば、観光資源として活用できる文化財が多い。地道な活動を点から面へと広げたい」と熱い胸の内を静かに語る。
問合せ 山越さん
TEL 090・8728・7324