『きもの』を楽しむきっかけづくりに
- 2014/2/28
- 市原版
一蔵アリオ市原店 店長 中沢淳一さん
アリオ市原店1階にある『一蔵&いち瑠』。新作振袖から有名産地の反物や帯まで、充実した品揃えが好評だ。商品展示をしている広いフロアの奥には和室がいくつもあり、試着やきもの着方教室が行われている。店長を務める中沢淳一さん(32)は「多くの方に、少しでも日本文化の『きもの』と触れる機会を増やしたい」と言う。
中沢さんは長野県出身。きものは子どもの頃から身近だった。「母もきものをよく着ていましたし、きもの好きな人の多い地域でした」。大学卒業後、一蔵に入社。生活のなかで身近だったとはいえ、きものに関しての知識はほとんどなかった。「接客していて、通のお客様に教えていただくことも多かったですね」。営業で全国をまわり、千葉でも数多く展示会を行った。「きもの好きな方が多く、人情があって。もし店をやるなら房総で、と思いました」。
この仕事の一番の魅力は「喜んでくださるお客様と長いおつきあいができる」ことだという。「特売の足袋からスタートして、5年・10年と続く方や、御家族で来店される方。後でお召しになったお写真を持ってこられる方もいらっしゃいます。販売時だけでなく、仕立て上がりをお持ちしたときも喜んでいただける。営業職として非常にやりがいがあります」。
さらに中沢さんは、きものは長く着続けるものだからと、メンテナンスを重要に考え、きものアフターケア診断士の資格も持つ。簡単な汚れなどは店頭で処理でき、預かる場合もその場でおおよその料金が提示できる。お手入れ見積もりはもちろん無料。「親子で受け継いだきものは、染め直したりサイズを直したりして、また蘇らせることができます。そのお手伝いができれば」。
店内で行う着方教室も、襦袢から一式用意されるシステム。手ぶらで受講できて安心と、大好評だ。それも「きものを持っていなくてもきものを着たいと思っていらっしゃる方が多いため」と中沢さんは言う。半衿付け講座や半巾帯講座なども定期的にワンコイン500円で開催。一蔵の全国ネットワークを生かし、産地や工房とのコラボ企画も店で行う。
「きものに対する敷居をできるだけ低くして、見るだけでも気軽にできるような店づくりに努めたい。きもの好きな方のためのコミュニティの場にもしたい」。次回の着方教室は4月からスタート、全10回、1回500円。体験の日程やお手入れの相談など、ぜひお問合せを。10~21時、年中無休。
フリーダイヤル 0120・993・811