地域とともに未来への勝利

 5月6日、日本クラブユースサッカー選手権U・15大会の千葉県決勝トーナメントで4年連続関東大会出場を決めた三井千葉サッカークラブ。高円宮杯U・15選手権大会でも2年連続関東大会出場という強さを誇る。「子どもから教えてもらうことのほうが多い。メンバーは財産」と話すのは同クラブ代表の石川公久さん(44)。よりよい自分になるための努力を怠らないことを学んでほしいと『自主・自立・貢献』を説く。会員は幼稚園児から中学3年生まで。普段の練習は三井造船辰巳台グラウンドで週に3日か4日。昨年から市原市姉崎で園児から小学生対象のスクールも始めた。指導できる人数に限りはあるが、強豪チームにありがちな入会時の選別はしていない。
 取材日の練習会場は八幡公園八幡球技場。約200人の小学生が学年により3グループに分かれてトレーニングする。練習前に全員が集合したゴール付近から「僕にタッチできた人から練習開始」とグラウンドの一角にコーチが走り小学1年生を誘導、他の子どもたちもボールを抱えすぐにウォーミングアップをはじめた。練習はゲーム中心。試合形式で技術や戦術を学び、体力や精神力を鍛え、さらに個人の個性を伸ばす。最終的に本物の技術と強い心をもつ社会に貢献できる人物に育てるのだという。
 強くなるためさぞきつい練習をしているのではと子どもたちに聞くと「楽しいほうが多い」、「うまくなるのが楽しい」と口々に答える。6年生のキャプテンは「みんな元気がいいから大きな声を出さないと聞こえないよ」と教えてくれた。見学していた小学5年と2年の母親は「年少で入会した。遊びの延長からサッカーの楽しさを教えてくれたので、今練習がきつくても耐えられる。体も丈夫になった」とクラブに満足している。
 90分間の練習が終了し、「休養も大事だよ」と子どもを帰すコーチの軽込さんは「技術のしっかりした6年生を見て5年生も意欲が出てきた」と選手の成長ぶりを頼もしそうに話す。指導して21年目となる石川さんによると「初期のメンバーが大人になり、子どもを通わせたり、学校で現在のメンバーの担任となっていたりするケースもある」とのこと。
 先輩には今年ドイツのブンデスリーグ・ケルンの所属となった長澤和輝選手がいる。石川さんは「中学生の難しい年代のときでも、当時指導していた中村コーチのアドバイスを素直に受け入れる選手だった。技術がありゲームの流れや次の状況を読める能力をもっていた。努力して海外から認められた」と嬉しそう。ほかにもモンテディオ山形の山田巧巳選手をはじめ大学や高校で活躍する選手がいるそうだ。クラブのスローガンは『未来への勝利』。勝つこと以上にサッカーを通じて成長して欲しいと願いを込める。

問合せ 三井SC事務局
TEL 0436・75・3657

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