明るくて安全な通学路を

 市立湿津中学校沿いにある通学路とその東側、あすなろ幼稚園へと繋がる通園通学路は、杉と竹の混在する鬱蒼とした林の中にあった。昼間でも大変暗く、大人でも怖くて通りたくないような道だったという。犯罪を誘発しそうな寂しい道、倒木や害虫、道路の幅が狭く車を避ける場所がない、などの危険から地域住民と子ども達を守るため、2012年1月、近隣の住民4人が立ち上がった。最初に行った活動は、15名の地権者から竹林伐採などの承諾を得ること。そして500本余りの竹と倒木の危険性のある杉など30本余りを伐採した。素人の手では難しい樹木の伐採は、地権者の協力により業者の手で行われた。さらに藪の中に捨てられた不法投棄ゴミやスズメバチの巣などを除去、人の手が入っていることを知らせるために「ごみゼロ安心通学路」などと書いたポスターも貼った。「ここは子ども達にとって、やがて故郷となる場所。自然の風景がゴミ捨て場になっている、そんな光景を目に焼き付けてほしくないと思った」と代表の今泉冨士夫さん(72)。
 活動を始めて3年目の2014年6月、やはり両脇に樹木が生い茂っている東国吉の通学路で女子中学生連れ去り未遂事件が起こった。「同様の事件が起きる前に整備をしていてよかった」今泉さん達は胸をなでおろした。
 現在、見通しの悪かった竹林と杉林は、明るい光の差し込む雑木林へと姿を変えた。「光が入ると、ヤマユリ、フユイチゴ、タラノキなどの山野草、山菜や昆虫が増えました」と楽しそうに笑う。散歩する人も増え、四季を楽しめる明るい道路になった。幼稚園生連れの母親や散歩している人から「安心して通れる。気持ちいい」と喜びの声が聞かれるようになった。
 今泉さん達にはもう一つ、『潤井戸自然公園会』としての活動もある。同公園の人工の水辺が自然化するのを見守るサークルだ。水辺の状態と生物多様性の保全に加え、池での魚獲りやイカダ乗りなど『水辺遊び塾』と題したイベントも行っている。前述の活動で伐採した竹を使って作成した小型水車群や水路もあり、楽しい水遊び場となっている。「公園での活動は様々な人とふれあえるのが楽しいですね。70歳を過ぎてもできることはたくさんあります。家でじっとしていないで一緒に活動しませんか」と笑顔で呼びかける。
 前述した通学路脇でのタケノコ狩り、同公園水辺でのザリガニ釣りは、増えすぎると害をもたらすので大歓迎だそう。
 現在の課題は、倒木の危険性がある杉並木の更なる伐採と、老朽化した凸凹道の補修。「こちらも仲間募集中です。また、市内には山林が多く、似たような環境の通学路に不安を覚えている方も多くいらっしゃると思います。気の合った仲間で、まずは活動を始めてみて下さい。相談に乗りますよ」と話した。

問合せ 今泉さん
TEL 0436・74・5889

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