「小江戸」からの発信 山里 吾郎

「小江戸」は関東に何カ所かある。千葉では「お江戸見たけりゃ」と唄われた佐原、幕府の直轄地だった大多喜…。いずれも城下町や蔵造りの商家など江戸の町並みや風情を今に残す。「和」への関心の高まりなのだろう。「小江戸観光」がブームになっている▼連続の県外紀行で恐縮だが、そんな一端を覗ければ、と「小江戸」の代名詞のような埼玉県川越市を訪ねた▼小欄で何回か紹介している町会ハイキング部の主催。梅雨入り前の週末、天気は早朝から快晴。五井|東京|池袋を経由、東武東上線を使って10時前には川越市駅に到着した▼まず目指したのは一番街。?川越観光“の入り口だが、一歩足を踏み入れると、まさにタイムスリップしたかのような江戸の町並みが目に飛び込んできた。黒を基調にした重厚な蔵造りの商家が石畳の両側に並び、多くの観光客がそぞろ歩く▼のれんを競い合うようにひしめくみやげ店や食い物屋。そんなにぎわいを横目に、ひっそりたたずむ「服部民俗資料館」に立ち寄った▼市文化財保護協会会長も務める服部安行館長によれば、現存の町並みは明治26年の大火後に江戸のまちを模して再現したものだという。たまたま残っていたものではなく、「再建し大事に育てあげた市民文化が今の?小江戸観光“につながっている」▼そんな目で川越のシンボルと言われる「時の鐘」、江戸幕府と直結していた川越城本丸御殿、三代将軍・家光や春日局と深いつながりを持つ喜多院などを見て回る。途中味わった総菜や漬物、地ビール、特産のさつま芋を使った和菓子類を含め、まさに手づくりが?小江戸の良さ“と実感した。

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