香りを楽しむ上質なひととき

 静寂の中、香炉に据えられた米粒ほどの香木からほのかな香りが漂う。香道は、華道や茶道、能楽とともに室町時代から伝わる日本の芸道。沈水香という希少な天然の香木に敬意を表しつつ、その香りを静かに聞く(嗅ぐ)というもの。
 5月14日、戸田コミュニティセンターで主催講座、『香道を学ぶ~志野流香道』の第1回目が行われた。「香道入門の第1歩ですから、ただ無心に微かな香りを聞き、味わい、楽しんでください」と講師、市生涯学習センター『まちのせんせい』の大口八重子さん。
 入室の仕方や歩き方など、志野流香道の基本となる作法をいくつか教わった。床の間に近い方が上座で柱に近い方が下座。正座する折には上座側の足をひき、踏み出すのは下座側の足から。進むときは摺り足で。9名の参加者は緊張した面持ちで、何度も歩き方の練習を繰り返した。
 今回聞いた香木は、『佳日』、『うたかた』、『弥栄』の3種類の伽羅。香炉が回ってきたら、右手で水平を保ちながら香炉を持ち、左手も添えて胸の辺りまで持ち上げる。香炉の正面が手前にくるのを避けるため反時計回りにまわし、香りを聞く。自然の呼吸で三息。聞き終えたら、香炉の正面が手前にくるまで時計回りにまわして次客との間に香名を伝えながら置く。
 初めてだと違いはわかりにくいが、深い香りがスーッと胸から頭に染み入り、気持ちが自然と落ち着いてくる感覚を味わうことができる。香りを聞いたあとは緊張がほぐれ、参加者はホッした様子。「室内に漂うほのかな香りが、日常を忘れさせてくれました」と笑顔を見せた。
 4回シリーズの講座で、2回目以降は四季の移ろいや源氏物語などを題材に、ゲーム感覚で聞き当てる「組香」を行う。

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