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ラッキーどんぐり見つけたよ
- 2016/2/5
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市原市不入斗の新義真言宗医王山薬王寺近くの野外広場『竹・いろりの里』にて、昨秋、有秋公民館主催事業『親子でアウトドア』が開かれた。参加した10組の親子30名を迎えたのは同地の里山を保全する『SaToYaMaよくし隊』の隊員7人。
炊事場、テーブルや椅子など隊員が手作りした広場で自己紹介をしたあと、参加者は隊員の麻生東三さんらとともに標高50メートルの里山の探検に出かけた。山道を登るとすぐに開けた場所に到着する。地面には落ち葉やシラカシのドングリなど森の恵みがたくさん。2歳から小学3年生の子どもたちは殻のついた「ラッキーどんぐり」を見つけて喜び拾い集めたり、保護者と写真を撮ったり。なかには赤い木の実を見つけ誇らしげに見せる男の子もいた。
さらに山の奥へ。年中の女の子は「世界で一番楽しい日」とずんずん歩く。「あっ」と叫んで男の子が見つけたのは「タヌキかハクビシンのフン」。荒れた竹林を整備したという雑木林は、シャガの群生がよみがえり、希少な山野草も生えてきたという。頂上や棚田を確認し山を下り、広場につながるシジミのいる小川やヘイケボタルの出る池もひとまわりして元の場所に戻った。
今回のアウトドアは邪魔者扱いの竹を存分に使う。お昼は竹炭塩を振り、竹串にさしたサンマを焼き、竹炭を混ぜ込んだ土で育った野菜で豚汁を作る。参加者は野外活動初心者も多い。鍋を火にかける前に外側に湿らせたクレンザーを塗ると「煤(すす)がこびりつかず後片付けが楽」と隊員に教わり感心する人も。子どもたちは大根をすったり、かまどの火をあおいだりとお手伝い。「みんなに楽しんでほしい」と地主進藤紀子さんも嬉しそうに料理の腕を振るった。いろりのサンマが焼けると、用意された竹の椀と皿にのせて昼食となった。
午後、子どもたちは竹の滑り台などの遊具、隊員の作った竹とんぼやシュロの葉のバッタで遊んだ。竹筒にH型のスリットを入れた楽器や節の部分を斜めに切った竹とっくりをまたたく間に作る隊員に、母親たちは「すごい、すごい」と称賛。「アウトドアに興味があっても自分たちだけではここまでできない」と話す父親もいた。竹とっくりは酒を温めると「何とも言えない豊かな香りがする」そうだ。
2歳と5歳児の父親は地元出身。「自分も山で遊んだが、今は子どもを一人で外に出せない。この機会に思い切り遊んでほしい」と楽しそう。お椀だった竹に穴をあけて竹ボックリを作って楽しむ親子を見ながら、隊長の鈴木幹夫さんは「里山で遊んだ子どもたちが里山の大切さを知り引き継いでくれれば」と期待していた。