ラッキーどんぐり見つけたよ

 市原市不入斗の新義真言宗医王山薬王寺近くの野外広場『竹・いろりの里』にて、昨秋、有秋公民館主催事業『親子でアウトドア』が開かれた。参加した10組の親子30名を迎えたのは同地の里山を保全する『SaToYaMaよくし隊』の隊員7人。
 炊事場、テーブルや椅子など隊員が手作りした広場で自己紹介をしたあと、参加者は隊員の麻生東三さんらとともに標高50メートルの里山の探検に出かけた。山道を登るとすぐに開けた場所に到着する。地面には落ち葉やシラカシのドングリなど森の恵みがたくさん。2歳から小学3年生の子どもたちは殻のついた「ラッキーどんぐり」を見つけて喜び拾い集めたり、保護者と写真を撮ったり。なかには赤い木の実を見つけ誇らしげに見せる男の子もいた。
 さらに山の奥へ。年中の女の子は「世界で一番楽しい日」とずんずん歩く。「あっ」と叫んで男の子が見つけたのは「タヌキかハクビシンのフン」。荒れた竹林を整備したという雑木林は、シャガの群生がよみがえり、希少な山野草も生えてきたという。頂上や棚田を確認し山を下り、広場につながるシジミのいる小川やヘイケボタルの出る池もひとまわりして元の場所に戻った。
 今回のアウトドアは邪魔者扱いの竹を存分に使う。お昼は竹炭塩を振り、竹串にさしたサンマを焼き、竹炭を混ぜ込んだ土で育った野菜で豚汁を作る。参加者は野外活動初心者も多い。鍋を火にかける前に外側に湿らせたクレンザーを塗ると「煤(すす)がこびりつかず後片付けが楽」と隊員に教わり感心する人も。子どもたちは大根をすったり、かまどの火をあおいだりとお手伝い。「みんなに楽しんでほしい」と地主進藤紀子さんも嬉しそうに料理の腕を振るった。いろりのサンマが焼けると、用意された竹の椀と皿にのせて昼食となった。
 午後、子どもたちは竹の滑り台などの遊具、隊員の作った竹とんぼやシュロの葉のバッタで遊んだ。竹筒にH型のスリットを入れた楽器や節の部分を斜めに切った竹とっくりをまたたく間に作る隊員に、母親たちは「すごい、すごい」と称賛。「アウトドアに興味があっても自分たちだけではここまでできない」と話す父親もいた。竹とっくりは酒を温めると「何とも言えない豊かな香りがする」そうだ。
 2歳と5歳児の父親は地元出身。「自分も山で遊んだが、今は子どもを一人で外に出せない。この機会に思い切り遊んでほしい」と楽しそう。お椀だった竹に穴をあけて竹ボックリを作って楽しむ親子を見ながら、隊長の鈴木幹夫さんは「里山で遊んだ子どもたちが里山の大切さを知り引き継いでくれれば」と期待していた。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  山武市南部の海沿いに位置する緑海(みどりみ)地区。同地区を流れる木戸川の堤防沿いには、120本のカワヅザクラが植えられている。並木は同地区…
  2.  12月13日(日)、山武市蓮沼交流センターにおいて同センター主催の『米粉いらずのお米蒸しパン教室』が開催された。新型コロナ感染予防のため、…
  3.  里山では紅紫色の花が咲き始める頃である。高さ20~50センチのケシ科キケマン属でムラサキケマン(紫華鬘)。「華鬘」とは仏前にいつも花が飾っ…
  4.  毎年11月から翌年4月くらいまでの、いまだ気温が低いうちに、ハーブをたっぷりと刷り込んだベーコンを数回に分けて作りおきしています。真空パッ…
  5.  菜の花ACはスポーツの普及、振興、強化ならびに健康づくり活動の支援事業を目的に昨年10月設立。千葉県を中心として活動している。同時に陸上競…
  6.  水辺でよく見かけるアオサギ。日本で見られるサギの仲間の中で最も大型で、長い首とスラリとした足が特徴だ。体長95センチ前後、翼を広げると1メ…
  7. 「梅ケ瀬」それは広く知られた紅葉の景勝地、そして市原には珍しい、つららを始めとする氷の渓谷でもある。養老渓谷駅の先を右に回って進み大福山の下…
  8.  森の中での生活に薪ストーブは欠かす事は出来ません。木々に囲まれた生活をする理由の1つには薪で暖を取りたい事も含まれていました。木は二酸化炭…
  9.  2015年に運行を開始したトロッコ列車「房総里山トロッコ」は、土休日を中心に五井~上総牛久~養老渓谷間を走り、開放感あふれる車窓から、春は…
  10.  国の天然記念物で、国際地質科学連合IUGSが国際境界模式地(GSSP)として承認した地磁気逆転地層・チバニアン。市は多くの人が来訪し交流で…

ピックアップ記事

  1.  山武市南部の海沿いに位置する緑海(みどりみ)地区。同地区を流れる木戸川の堤防沿いには、120本のカワヅザクラが植えられている。並木は同地区…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る