春の到来を告げるフキのとう

 フキのとうが顔を見せはじめてきた。これを見て、春の到来を告げる温もりと感じる方と、美味そうだなと感じる方がいる。
 フキは野草であるとともに作物でもある。この時期に食べられる露地物の野菜が少なかった時代には貴重な食材であった。どう見ても野生化していると思われる場所であっても、本来、地元の共有地や私有地のものは作物である。観光で訪れた人が勝手に採ってはいけないものである。
 キク科フキ属フキ(蕗)は雌雄異株の多年草。葉より先に花茎が出る。雄株は高さ20センチぐらいに伸び、黄白色の頭花を沢山つける。雌株は高さ40センチぐらいまで伸び、白っぽい糸状の頭花を密につける。葉は幅15~30センチの楕円形、地面から突き出た葉柄は高さ60センチ、径1センチ。
 とう(薹)とは花を咲かせる茎のことで、花芽がついた茎が伸びると「とう立ち」という。野菜売り場で売られているフキのとうは薄緑色の苞が幾重にも重なって中の花が見えない。そのぐらいが食べ頃らしい。市原の気候では枯葉の間から出るとすぐに苞が開き始め、食べ頃を逃しやすい。
 野菜の花の多くがそうであるようにフキもまた、花を眺めて楽しんでいる人を見かけない。やはり野草というより野菜扱いなのか。花が終わり、葉が延びてくると、これを摘んで葉柄を食用にする。その頃には、雌株の花茎にタンポポのそう果を半分にしたサイズの白い綿毛が束になって見られる。これがフキのそう果と知る人は少ない。
 市原の自然は豊かで美しい。大切に残していきたい。

(ナチュラリストネット/野坂伸一郎)

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  御宿町・日墨友好文化大使のヴァイオリニスト・黒沼ユリ子さん(81歳・御宿町在住)が、小学校時の図工の恩師であるイラストレーター・大西三朗さ…
  2. いつものにぎやかな音楽が聴こえると、それは移動販売車ピース号が来た合図。食品や日用品などを乗せて、週に1度、決まった場所へ決まった時間にやっ…
  3.  1945年8月15日の終戦の日、連合国軍機と交戦し墜落したとみられる零戦の機銃が、今年1月、大多喜町で発見された。遺族の依頼を受けた有志の…
  4.  日本の伝統文化として海外でも興味関心の高い折り紙。必ず一度は折ったことがあるだろう。一年の延期を経て今夏開催された東京オリンピックで、来日…
  5. メヒコの衝撃─メキシコ体験は日本の根底を揺さぶる 9月26日(日)まで 市原湖畔美術館  メキシコのスペインによる征服から500年、独立…
  6.  世の中、理不尽なことがたくさん起こりますが、それをどう捉えるかで人生の行く道が変わることがあります。目の前で起こっている理不尽なことは、今…
  7.  ボランティア団体『桜さんさん会』は今年4月23日、東京の憲政記念会館で開催された『第15回みどりの式典』で緑化推進運動功労者内閣総理大臣表…
  8. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  御宿町・日墨友好文化大使のヴァイオリニスト・黒沼ユリ子さん(81歳・御宿町在住)が、小学校時の図工の恩師であるイラストレーター・大西三朗さ…

おすすめ商品

  1. SG-507 ユネスコ世界遺産 フィルム 名入れカレンダー

    世界の自然や遺跡を厳選 – 豪華版・ユネスコ世界遺産シリーズ 1-2月/マチュ・ピチュの歴史保護区…
  2. TD-288 卓上L・大吉招福ごよみ・金運 名入れカレンダー

    金運の黄色と金箔「金運上昇八卦鏡」のW効果!驚異の金運力!金運上昇八卦鏡。 風水で八卦鏡とは、邪悪…
  3. SG-951 卓上 デスクスタンド文字(SB-324)名入れカレンダー

    【人気商品】卓上名入れカレンダーの超ヒット商品! 高級感が漂うシンプルデザイン。重量感のある厚紙を…
  4. SB-103 金澤翔子作品集 名入れカレンダー

    気鋭の書家、金澤翔子さんによる書下ろし作品集。 先天性の障がいを持って生まれた少女が書と出会い、才…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る