色が教えてくれる、本当の自分

 2月23日、菊間保健福祉センターで主催講座『自分再発見~心理学で自分探し~』が行われ13名が参加した。講師のぬり絵カラーセラピスト、今井千絵さんは冒頭で「大人になればなるほど自分の気持ちを飲み込んでしまい、あからさまに出せなくなってしまいますよね。色塗りで童心に返りながら、今日は分析や答えを出すということはせず、心に焦点を当てて自分を見つめ直してみましょう」と柔らかな口調で語りかけた。
 「自分探し」に入る前に、色についての講義から。私たちが日頃、当たり前のように目にしている様々な色。光が物体を照らす際、物体は特定の波長の光を吸収し、吸収されずに残った光を反射させる。その光を目がとらえて脳に伝達、脳が色を認識しているのだという。例えば日中の海が青く見えるのは、太陽光のうち青い光以外は海が吸収してしまうから。結果、海は青っぽく見えていることになる。
 さて、いよいよ「自分探し」に。「自分が好調な時のイメージの色は?」、「嫌いな色は?」などの問いに、色鉛筆を用いて色塗りで答えていく。単色でも混ぜ合わせても、縞々、点々など模様をつけてもOK。「思うがままに表現して」と今井さん。参加者は一心不乱に色塗りに興じる。パステル調の色を薄めに塗る人、はっきりした色を濃いめに塗る人、様々だ。塗り終えたら、4、5人ずつのグループで、それぞれの思いを分かち合う。「これ、一緒だね」、「黒は落ち着いたイメージがあるのよね」、「『気になる色』は元気になれそうな黄、黄緑、橙3色のビタミンカラーにしたわ。こんな色の服を自分が着たりはしないけどね」などと目を輝かせながら参加者は話を弾ませた。
 「嬉しい」、「幸せ」、「緊張」、「憎しみ」など30種類の感情についても色で表現してみた。自分が選んだ色を改めて見てみると、自分なりの色の傾向が見えてくる。「大切な人」のイメージ色と「励まし」の色が同系色だったり、「自分を色に例えると?」で選んだ色と「幸せ」、「愛しい」が同じ色だったり。人に指摘されて気づく傾向もある。「悲しい」などマイナスイメージのものに明るい色を選んでいる人もいた。「同じ『悲しい』でも人によって受け取り方が違う。自分も含め、他人の感覚を尊重することは大切です」と今井さん。終始、明るい表情で作業に臨んでいた参加者全員から拍手が沸き起こり、講座は終了。「楽しかった。気づかなかった自分を色で発見できるなんて」と驚きの声が聞かれた。今のあなたは、何色の気分?

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…
  2. 【写真】教室の講師と子どもたち  JR浜野駅前と五井駅前でダンススタジオを経営する堀切徳彦さんは、ダンス仲間にはNALUの…
  3.  市原市不入の市原湖畔美術館にて、企画展『レイクサイドスペシフィック!─夏休みの美術館観察』が7月20日(土)に開幕する。同館は1995年竣…
  4. 【写真】長沼結子さん(中央)と信啓さん(右) 『ちょうなん西小カフェ』は、長生郡長南町の100年以上続いた小学校の廃校をリ…
  5.  沢沿いを歩いていたら、枯れ木にイヌセンボンタケがびっしりと出ていました。傘の大きさは1センチほどの小さなキノコです。イヌと名の付くものは人…
  6. 『道の駅グリーンファーム館山』は、館山市が掲げる地域振興策『食のまちづくり』の拠点施設として今年2月にオープン。温暖な気候と豊かな自然に恵…
  7.  睦沢町在住の風景写真家・清野彰さん写真展『自然の彩り&アートの世界』が、7月16日(火)~31日(水)、つるまい美術館(市原市鶴舞)にて開…
  8.  子育て中の悩みは尽きないものですが、漠然と考えている悩みでも、種類別にしてみると頭の整理ができて、少し楽になるかもしれません。まずは、悩み…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る