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ふるさとビジター館
- 2016/3/18
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学習能力があるニホンアマガエル
この時期、耳を澄ますと「ケッケッケッケッ」とアマガエルの初鳴きを聴くことができます。アマガエルの仲間は世界に約700種、日本で見られるのは全国に生息するお馴染みのニホンアマガエルと沖縄地方に生息するハロウエルアマガエルの2種類です。
カエルは基本的には、縄張りの主張やメスへの求愛のためにオスだけが鳴きます。アマガエルが他のカエルと違うのは、その由来のとおり湿度や気圧の変化に敏感で、雨などの天候の変化に反応して鳴くことです。最近の研究では、アマガエル達の合唱に一定のパターンがあることも判明しました。それぞれのアマガエルは一定のリズムで鳴き、同時に他のアマガエルの鳴声を聴き、自分の鳴くタイミングを調整しているとのことです。
夏などにアマガエルが電灯の近くでジッとしている姿を見かけますが、これは電灯の光に寄ってくる虫を食べるためです。以前にアマガエルを数匹飼育し観察しました。棒の先につけた虫を近づけたところ、最初の数日間は見向きもしませんでしたが、そのうち棒の先につけた虫を食べるようになり、更にエサをつけていない棒を近づけただけで口をつけるようになりました。このようなことからアマガエルは学習能力が高いと思われます。
また、アマガエルはご存知のとおり体色を変化させます。黄、黒、青の3つの色素を持ち、この組み合わせで黄緑色、茶色、灰色に変化させ周囲の色に合わせることで外敵から身を守っています。
アマガエルをはじめとするカエル達は虫など食べ、また、自らも鳥などの食物となります。カエル達の合唱が聞こえるところは多様性の自然がまだ残っている証かもしれません。
(ナチュラリストネット/時田良洋)