牛久の景観は、我らが守る!

 すっかり春らしい気候が訪れた。花や景色を楽しみながら新たな散歩コースを探すのも楽しくなる季節だ。「今まで歩けなかった所が綺麗になったので散歩コースに加えました!」、「河川の川面が見えるようになったので、気持ちがいいですね」と喜びの声が聞こえるのは、先号本誌でも伝えた『なのはな館』の先、八坂神社付近の養老川河川敷。
 立役者である『牛久を美しくする会』会長の兒井敏雄(こいとしお)さんは、「設立は2015年1月なので、約1年が過ぎました。登録している会員は約60名ですが、実際作業に出られる人は20名ほどです。それでも試行錯誤の末、河川敷はとっても綺麗になりました」と話す。
 同会は、市から河川敷遊歩道の管理に関する対応を求められ、ボランティア団体として設立された。鬱蒼と茂る竹は高さ数メートル。最高齢85歳、平均年齢も高いが斜面に腰をかがめ、主に手作業で行われる。怪我をしないようにゆっくり無理をせず、が大切。「あまりにも荒れていて、どこから手をつけていいのか初めは検討もつかなかった」というが、1カ所ずつゆっくりと手を入れた。
 伐採した竹もただ処分するのではなく、ひと工夫。商品価値のある竹も多いので、専門業者に切り出しを要請するとともに、会員と共同作業をすることで対価に見合う労働を提供してもらい、除去した竹を業者に渡す。また、『市原ぞうの国』で飼育されている象の食料として遊歩道の笹を積極的に採取してもらうように、同園の副園長と話し合いを進めた。
 他にも、今年2月には5本の桜の苗木を植樹したり、小湊鉄道沿線の除草や菜の花の種を散布したりと、同会はいかに住みやすい環境を作れるかに重点を置いている。景観だけでなく、ハクビシンも現れるという牛久地区では、作物を荒らす野生動物の生息にも歯止めをかけるきっかけになるだろう。
 兒井さんは、「大分綺麗になっていますが、まだまだ作業中です。それに、全国的に言われている後継者問題は、牛久地区も例外ではありません。この活動を通して、周辺地域の様々な問題に着目する一環を担えたら」と幅広い視野を持ちつつ、問題も語った。
 牛久地区は養老川に囲われるようにして住民が生活している。現在、毎月1回定期的に清掃日を設けているが、隔月で曜日は土日交互に変更。それは、「どちらかしか参加できない方もいます。出席率は関係ありません。たとえ年1回でもいいんです。地域のために何か1つでも出来ることを見つけてくれたら嬉しいですね。会の改善点は、会員の意見を取り入れて見直していきたいです」と、すべてがみんなのためだ。作業は原則朝8時から1時間程度。会費は年間千円。同会は年齢を問わず、会員を募集している。

問合せ 兒井さん
TEL 090-7843-3148

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…
  2. 【写真】教室の講師と子どもたち  JR浜野駅前と五井駅前でダンススタジオを経営する堀切徳彦さんは、ダンス仲間にはNALUの…
  3.  市原市不入の市原湖畔美術館にて、企画展『レイクサイドスペシフィック!─夏休みの美術館観察』が7月20日(土)に開幕する。同館は1995年竣…
  4. 【写真】長沼結子さん(中央)と信啓さん(右) 『ちょうなん西小カフェ』は、長生郡長南町の100年以上続いた小学校の廃校をリ…
  5.  沢沿いを歩いていたら、枯れ木にイヌセンボンタケがびっしりと出ていました。傘の大きさは1センチほどの小さなキノコです。イヌと名の付くものは人…
  6. 『道の駅グリーンファーム館山』は、館山市が掲げる地域振興策『食のまちづくり』の拠点施設として今年2月にオープン。温暖な気候と豊かな自然に恵…
  7.  睦沢町在住の風景写真家・清野彰さん写真展『自然の彩り&アートの世界』が、7月16日(火)~31日(水)、つるまい美術館(市原市鶴舞)にて開…
  8.  子育て中の悩みは尽きないものですが、漠然と考えている悩みでも、種類別にしてみると頭の整理ができて、少し楽になるかもしれません。まずは、悩み…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る