鬼瓦が面白い

日本人の心のよりどころ

 日本の屋根には鬼瓦が鎮座していた。
 日本には鬼伝説がいろいろな地方に存在する。秋田の「なまはげ」、岡山の桃太郎の鬼退治、丹後の酒呑童子の話、古都の一寸法師の話、京都の羅生門の話、東京雑司が谷の幼子を食べ後悔した母鬼の話、そして節分の「鬼は外・福は内」、また各地の不動尊の高欄を鬼がたいまつを持ち、庶民の無病息災を祝う行事と、鬼の話は事欠かない。

では鬼とは何者で、どこからやってきたのか。
 鬼瓦は、日本の伽藍建築で建物の棟というてっぺんから、四方をにらみ、その素晴らしさが、国宝に指定されているものまである。中国は鳳にまたがった皇帝(騎鳳)を先頭に竜・キリン・伝馬・海馬・獅子・鳳凰などが四隅の棟を守っている。しかし韓国では、古都慶州博物館で鬼板が昭和42年まで展示されていたが、その後訪韓した時には姿を消していた。韓国は中国や日本のように鬼瓦棟飾りが発達しなかったようだ。沖縄はどうか、シーサー(獅子)が棟を飾っている。日本の僧堂・伽藍の屋根には東大寺のようには鴟尾が乗っている。また、城には海の覇者「鯱」がのっている。これら全ては日本が島国でシルクロードを伝播して、終着の地日本で長い年月をかけて花開いた日本が誇る文化の結晶だ。

鬼とは何か。
 鬼とは現在紛争の地、シリアで生まれシルクロードを中国、インドなどを旅して来た神話上の幻獣である。この鬼たちは、仏教、ヒンズー教の始まる前から人間の精神史の基調にある生き物なのだ。本来の鬼は、たてがみを持ち、大きな丸い目、むき出しになった歯、角があり顔のみで胴はなく、二匹の蛇をくわえ、顔の両側から延びる手で蛇をつかんでいる。この蛇をくわえた幻獣は「キーリテムカ」(誉の顔)と呼ばれる神話上の生き物だ。「キーリテムカ」は宇宙創造の神話に出てくる。日本の鬼、鴟尾、シーサーは水の神様で、また火伏の神である。特に沖縄「竹富島」では、シーサーを安置した集落は大火をの免れた。竹富島の人達がシーサーを心のよりどころにしているのと同じように、日本人の鬼瓦への思いは強い。

原文・写真提供:株式会社オオヤギ 扇谷 芳雄
取材協力:千葉県瓦工事業組合 理事長 根本 泉
※敬称略

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