可能性は無限大

からさき台FC

 市原小学校がホームグラウンドの少年少女サッカークラブ『からさき台フットボールクラブ』。1993年、Jリーグが開幕した年に設立された。OBで監督の針貝啓介さん(35)は「自分の子どもの代になっても、まだチームが続いていて嬉しいです」と日に焼けた笑顔で話す。
 実は昨年度、存続の危機に陥っていた。メンバー9人のうち、6年生8人が卒業。針貝さんの息子、1年生の純人君1人だけが残ったのだ。そのため、監督となりチームの態勢を見直すことにした針貝さん。チーム運営はコーチ陣が担うようにし、保護者にはチームへのサポートをお願いし、負担を軽くした。地元に残るOBもコーチとして協力してもらえるようになった。その結果、チラシや口コミで集まったメンバーは21人。
 2年生になった純人君は「みんなが入ってくれて嬉しい」と練習に励んでいる。針貝さんは「予想以上でした」と喜ぶ。しかし、ほとんどが初心者。「ようやくボールに慣れたところです。自分を含めコーチも子どもたちと一緒に成長していきたい。子どもたちが大人になって戻ってこられるようにチームを続けたいです」と期待を持って指揮をとる。
 練習は土日祝日の午前9時から。はじめは基本のボールタッチを行う。簡単そうにみえてもリズムよくボールに触るのは難しそう。遊びやゲームの要素も取り入れ、「飽きないようにメリハリをつけています。サッカーの楽しさを伝えたい。礼節、協調性、自主性を育んでいきたい」とのこと。
 コーチが「どこから蹴ったら入りやすいかな」と問いかけると、キックする位置を自分で考え、気持ちよさそうにゴールに蹴り込む子どもたち。何度も繰り返すうちに、疲れたのか座り込んだり、歩いてボールを取りに行ったりする子どもも出てくるが、大人たちは「練習に打ち込む姿勢はそれぞれ。サッカーを好きになってもらいたい」とおおらかに見守る。
 高学年は人数不足で試合に出られないという。それでも、人一倍元気に走り回るキャプテンの6年生佐久間萠衣さんは「ボールを蹴る瞬間、スカッとします。低学年が強くなれるようたくさん練習させてあげたい」と全体に目を配る。「本格的なサッカーがやりたい」とろう学校からの参加者もいて、女子は5人。
 見学していた母親の一人は「始めた頃はボールに遊ばれている感じでした。思うようなプレーができず、落ち込むこともあるようですが、自分で気持ちを切り替えるなど、良い経験をしています」と話す。サッカー未経験の子ばかりのチームなので可能性は無限大。入団するなら今かも。入会金3千円、会費月千円。

問合せ 針貝さん
TEL 090・4729・7967

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1.  市原市は市制施行60周年を記念し、『エンジン01(ゼロワン)in市原』を2024年1月26日(金)~28日(日)に開催する。先月8月25日…
  2.  マザー牧場(富津市)では、ひと足早く秋先取りの絶景が登場。まきばエリア 『花の大斜面・東』にて、 2年目となる『コキア』が9月上旬より紅葉…
  3.  心ない行動や言葉が、人を追い詰め事件になるケースも多い昨今。この本『慈雨』の筆者・大木太枝(たえ)さんも、20数年前、愛する家族が他人の中…
  4.  9月30日(土)・10月1日(日)の2日間、上総更級公園や上総大路などで、『上総いちはら国府祭り』が4年ぶりに開催される(主催:上総いちは…
  5.  絵本作家の五味太郎さんが書いた本に『じょうぶな頭とかしこい体になるために』という本があります。「何をしたいか自分でもよくわからないんだ」と…
  6.  今回から前後編で、世界に名を轟かせた黒澤明監督に関するお話です。黒澤明:1910年(明治43年)3月23日生~1998年(平成10年)9月…
  7.  牛久石名坂1号墳跡は、市原市のほぼ中央に位置し、国道が縦横に走る養老川中域の標高37メートルの河岸段丘上にあります。周囲には大小の古墳が9…
  8.  8月21日から23日の3日間、野田市にある江崎グリコ株式会社の工場見学施設『グリコピアCHIBA』にて、小学生とその家族を対象としたワーク…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  9月30日(土)・10月1日(日)の2日間、上総更級公園や上総大路などで、『上総いちはら国府祭り』が4年ぶりに開催される(主催:上総いちは…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る