森と人をつなぐ場

『森ラジオ ステーション』で植樹式開催

 『アートいちはら2018秋』開催期間中の12月1日(土)、ワークショップ『森ラジオ拡張計画/植樹による森のトンネルづくり』が行われた。小湊鉄道月崎駅前にある鉄道保線員の元詰所小屋を苔と山野草で覆った木村崇人さんの作品『森ラジオ ステーション×森遊会』に隣接する空き地で小湊鉄道が使用していた枕木を敷き通路をまたぐように、約40メートルにわたりトンネル型のアーチが設置され、両側から70本ほどの木が植樹された。
 植樹式では『森ラジオ ステーション』を維持管理するボランティア団体『森遊会』の田村会長が挨拶。続いて来賓の挨拶があり、そのあと関係者とワークショップ参加者による植樹が行われた。木村さんは「森ラジオ ステーションは建物全体を山に見立て植物を配置しており、壁面は森の凝縮です。今回植樹した木は森につながるトンネルに仕立てます。2年前、敷地の整備をしながら森遊会の皆さんと、ここを何かにすることはできないかと話し合い、森にしようと決めました。木を植えるには覚悟がいります。自分より寿命が長い木を植えるからには、見届ける責任があります。山梨で生活する自分がアート×ミックスの前身であるアート漫遊曼荼羅から市原市に関わるようになり、8年が経ちました。市原に通い続け、多くの人たちと接し、共に行動し、どんどん市原が好きになり、もっと長く関わりたい、市原で過ごしたいという想いが年々高まってきていることから、この作品をつくろうと、木を植えようと決意しました。多くの人たちに認知してもらい、愛され、皆が誇れる作品にしていきたい」と話す。

 植えられた苗木の種類は様々。どの季節に訪れても楽しめるような木を選び、配置を考えた。「小湊鉄道の列車からも、こちらからも見えるような配置であり、線路側には奥の木々も見えるように常緑樹は植えない。常緑樹はトンネル入口に枠をつくるために植えました。出口となる奥には赤い実がつくツルもののクロガネモチや隣にはやはり赤い実がつくツバキを植え縁取りを。線路際に置かれたベンチに座った人も花と葉の変化が楽しめるよう紅葉する豆桜も植えました。このあと、小さな木や山野草も植える予定です。1年2年先にはまた違う目標ができることでしょう。子どもも大人も様子を見に来たくなるような場所にしたい。今回の2日間だけでなく、これからも調整しつつ加えていくつもりです。以前の雑草が生い茂っていた場所からは想像できないと思う。皆の力でここまでできた。一人ひとりの力は本当に大きい。今回の作品の完成はいつではなく、今後の木々の成長による変化を楽しんでもらえたら。そして、木の話題で来訪者と地域の皆さんの会話が生まれたり、盛り上がってくれたらいいですね」と木村さん。

春は野草を採取し実食

 『アートいちはら2018春』では、森ラジオ ステーションや周辺で野草等を採取し、調理し実食するワークショップ『木村崇人と森ラジオを食べる』が催され、都内や市外からも参加者があった。木村さんや植物に詳しい森遊会の芹沢洋子さんのアドバイスとチョイスにより採取された野草は、生食の他、茹でたり蒸したりと森遊会のメンバーの皆さんが中心となり調理され、生の食材はバイキングスタイルで試食。調理した食材は『カラムシと豆腐』、『アザミの花と豆腐』、『ユキノシタの団子蒸し』の会食となった。
 食後、参加者は「こんなに食べられる野草がたくさんある。この場所の豊かな自然に驚いた」、「アウトドアで楽しんだり非常時には役立つのではと期待」、「刻んで生のまま食べたカラムシはクセがなく、カタバミは酸っぱかった、野アザミは花が甘い」、「天ぷらにすることが多いというユキノシタの蒸し団子が美味しかった」、「血圧を下げるというカキドオシのお茶が美味しかった」等々、初めて味わう野草に舌鼓を打ちながら感想を述べた。
 今後もアートイベントや『アート×ミックス2020』で、注目を浴びる機会は続くことだろうが、芸術祭開催期間以外にも是非、訪ねてみてほしい市原市の宝のひとつだ。

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