森の中での生活に薪ストーブは欠かす事は出来ません。木々に囲まれた生活をする理由の1つには薪で暖を取りたい事も含まれていました。木は二酸化炭素を吸収し酸素を排出するので、木を燃やすという事は差し引きゼロ。環境に優しい暖房器具と言えます。
 一昨年、家を建てる際に10数本の木を切り倒さねばならず、丸太は十分過ぎるくらいに庭の一画に積上げられました。それをチェンソーで同じくらいの間隔に切断したら、次は斧に持ち替えて丸太の上に力一杯振り下ろしていきます。斧での薪割りは想像していた以上に重労働で、4〜5分経つ頃にはくたくたになってしまいますが、次第に心地よい汗が流れて来るのが分かります。薪割り機という効率的な物もありますが、暫くの間はこうして自分自身の手で薪を割る作業を体感して行きたいと思っています。
 ストーブには適した温度があり、杉や松などの針葉樹は燃える勢いが強いために着火剤としては適していますが、燃やし続けると高温になり過ぎてストーブを傷めてしまいます。煙の量も多いので煙突に煤が溜まりやすく、炎も長くは続きません。適しているのはクヌギ、ナラなどの広葉樹です。火持ちも良く温度も針葉樹程は上がりません。乾燥させるために最低2年は薪棚でしっかりと寝かせます。また炉内の温度が低いと不完全燃焼を起こして煙の量も多くなり、煤や灰が溜まりやすくなります。適切な温度を保てば灰の量も少なく、煤もあまり付かないので煙突の掃除が楽になります。
 焚き火やストーブの炎は長い時間見つめていても決して飽きる事がありません。人類が火を使い始めて以来、私達の祖先は何万年ものあいだ焚き火から舞い上がる炎を見つめてきました。それは神秘的でもあり、懐かしいという感覚さえ沸き上がって来ます。私達のDNAの中には、太古の記憶がしっかりと刻まれているからなのでしょう。

長谷川良二。市原市在住。ハーブコーディネーター、ガーデニングコーディネーター、歯科医師。公民館でのハーブの指導や、料理教室を開催しながら自然栽培で野菜を育て、養鶏、養蜂にもトライ中。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1.  鉄道写真愛好家の皆さんへお知らせです。今年6月6日(木)~6月11日(火)に開催予定の『小湊鐵道を撮る仲間たち展』に写真を出展いただける方…
  2. ●常夏のハワイアンズで「しまじろうといっしょに はじめてのチャレンジ!」  いわき湯本の豊富な温泉で、6つの温泉テーマパークが楽しめる「ス…
  3.  新芽が出始めた春の里山を散策してみた。葉の色や形、大きさなど種類の多さが感じられる。葉の多様性といったところか。  そんな中で高い木の枝…
  4. 【写真】チバニアンガイドの皆さん  2020年1月、市原市田淵の地磁気逆転層を含む地層『千葉セクション』がGSSP(地質年…
  5.  前回、近い将来起こるであろう世界的な食糧問題について書きましたが、多くの学者は、私達が生き延びるには人間が何万年と育んできた古来からの農法…
  6. 【写真】『音楽堂in市原《私の十八番》ガラコンサート』にて。ヴァィオリン・川井郁子さん、ピアノ・熊本マリさん  市原市市制…
  7. 【写真】いちはらフィールドマップ巡り・市原にて  市原市姉崎在住の石黒修一さん(76)は、『地域を知り・守り・愛する』とい…
  8. 【写真】ダリア花(茂原市立美術館蔵)  2月14日(水)~3月24日(日)、茂原市立美術館で、千葉県誕生150周年記念事業…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】チバニアンガイドの皆さん  2020年1月、市原市田淵の地磁気逆転層を含む地層『千葉セクション』がGSSP(地質年…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る