次はサーフ&ファーム

自然豊かな一宮町をPR
次はサーフ&ファーム

「一宮って東京から電車で1時間で来られて、海、山、川、温暖な気候と素晴らしい自然が全部ある。これだけアウトドアに向いているフィールドって少ないと思うんですよ。すごく面白い場所。もっと人を呼び込みたい」と話すのは、一宮町在住の市東剛さん(57)だ。お隣の長生村で生まれ、小学校で東京へ。でも、両親が外房の出身ということもあり、夏休みなどはこちらに戻りずっとサーフィンを楽しんできた。
 この町の魅力を誰よりも知っている市東さん。大学卒業後、兄とともに東京で建築業を営むかたわらサーフショップなども経営していたが、一宮の海岸近くに土地を手に入れたのをきっかけにレストランをオープン。生活の拠点を一宮へ移したのが30年ほど前だ。
 その後、一宮町にはサーフィンを楽しむ若者や若夫婦の移住組が増えた。すると様々な問題や不便さが表面化してくる。町に知人の多い市東さんを頼る人も多く、「行政に相談するんですけれどなかなか改善されない。なら自分たちでできることは自分たちで改善していこう」と、2007年、サーフィン仲間などとともに「安心で安全な海辺のライフスタイルの創造」をポリシーに『99ビーチガード』を立ち上げた。
 まず、釣ヶ崎海岸に洗浄水を循環して汚水を海に流さないエコトイレを完成させた。「子どもたちが遠足で訪れたり、サーファーが県外からくるのに、それまでのトイレは夢に出てきてうなされそうなほど汚かった(笑)。観光の町っていうのに、一番大事なおもてなしの心がなかったんですよ」。そして知人や企業を巻き込み完成させたトイレは、今もボランティアやサーファーが毎日清掃を続けているという。
 その後も、海岸清掃やサーフィン大会、エコフェスタなどを企画し、一宮の魅力を広くPRしてきた。そんな市東さんが数年前から興味を持つのが農業だという。自身でも有機栽培で野菜を育てているそうだが、「小さな農園を貸して、週末、旦那さんはサーフィン、奥さんと子どもは野菜作りってオシャレだと思いませんか。湘南ではできない一宮ならではのサーフ&ファーム。僕が作った言葉ですけど(笑)」。手始めに、この春海岸線に2店目のレストランをオープンした。そこでは有機野菜の食事を提供し、敷地内には畑、そしてキャンピングカーが置かれ、テントを張りキャンプもできる。
「この町を訪れるきっかけを作ってあげたいんです。いろんな人が集まれば町も活性化するでしょ。住民と行政、みんなががんばればさらに素晴らしい地域になると思ってます。一宮にレジェンドと呼ばれるサーファーの第一人者がいらして、大変お世話になりましたが亡くなられて、僕が一番年上になっちゃいました。住みやすく安全な町にするようこれからも頑張っていきます」と市東さん。

問合せ 99ビーチガード
http://99beach.web.fc2.com

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